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「庶民の大統領」命運尽きる=醜聞まみれ、民心離反―南アのズマ氏

2/15(木) 15:01配信

時事通信

 【ロンドン時事】南アフリカのズマ大統領が14日、辞任した。

 ズマ氏は1994年の同国民主化以降で「最も物議を醸した大統領」と言われた。数々の汚職疑惑や醜聞を抱えながら、カリスマ性と個人的人気により9年近くトップの座を守ってきたが、相次ぐ悪評に民心は離反。与党アフリカ民族会議(ANC)の身内からも見放され、任期を1年以上残す早期退陣を余儀なくされた。

ラマポーザ新大統領選出=汚職疑惑のズマ氏辞任-南ア

 ズマ氏は2007年、政敵だったムベキ元大統領を追い落とす形でANC議長(党首)となり、09年に大統領に就任した。貧困家庭出身で公教育を受けたことがないズマ氏は、エリート臭を漂わせるムベキ氏と対照的な「親しみやすさ」を持ち合わせ、「ピープルズ・プレジデント(庶民の大統領)」として特に貧困層から好意的に迎えられた。

 しかし、副大統領時代から汚職や詐欺、レイプなどの疑惑が常に付きまとい、一部の裁判は今も続く。14年、私邸改修工事に巨額の公費を投じていた問題が発覚したほか、16年にはズマ氏に近いインド系富豪グプタ家が閣僚人事などに介入していた疑惑が新たに浮上。近年の経済低迷と高失業率への不満と相まって、「腐敗政権」に対する国民の批判はこれまでになく高まった。

 「普通なら誰でも確実に職を失う」(英BBC放送)状況にもかかわらず、「天才的な保身能力」(専門家)で幾度もの危機をくぐり抜けてきたズマ氏。来年の任期満了まで粘ろうとしたものの、昨年12月に「反腐敗」を訴えるラマポーザ副大統領がANC議長となったことで命運が尽きた。14日の辞任表明演説では「官職を去ることを恐れはしないが、私が何に違反したのか、なぜ退任すべきなのか、党に明確にしてほしかった」と恨み節を繰り返した。 

最終更新:2/15(木) 23:02
時事通信