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最後に待つ試練=連覇へ挑む羽生〔五輪・フィギュア〕

2/15(木) 18:38配信

時事通信

 平昌五輪のフィギュアスケート男子が16日に始まる。羽生結弦(ANA)はソチ王者として4年間、幾多の逆境にさらされながら4回転ジャンプの争いが増した世界を引っ張ってきた。66年ぶりの連覇へ、最後の最後にまた試練が待つ。
 目を背けたくなるような一コマだった。昨年11月9日のNHK杯公式練習。前日の練習を発熱で休んだ羽生は今季から取り入れた難技、4回転ルッツの着氷に失敗し、右足首が不自然に曲がった。氷に戻るまで2カ月もかかる重傷だった。
 あの日を境に羽生は表舞台から姿を消した。昨年末の全日本選手権も欠場。今年1月上旬に氷上練習を再開したことだけがその後、粛々と報告された。休んだ期間の3倍の日数が復帰までにかかるというのが専門家の定説。果たして五輪に間に合うのか。羽生自身も不安だった。
 氷に乗れない日々は、陸上で体を動かし、頭をフルに稼働させた。ジャンプのフォームやイメージを確実に固めようと努めたが、ネガティブな思考に自身が支配されることもあった。「これは治るのだろうか」。答えの出ない問いが続いた。
 陸でどれだけ体をいじめ抜いても、イメージトレーニングを重ねても、フィギュアスケートの感覚は氷の上でしか戻らない。幅4ミリ程度のブレードだけで氷をとらえる繊細な競技だからだ。
 本番3日前の記者会見で、羽生は笑みを浮かべながら復帰への過程を明かした。4回転を跳び始めたのは「2週間から2週間半前」。セオリーからすれば無謀な戦いに挑むことになるが、そうは言い切れない何かが、この男にはある。(時事)

最終更新:2/15(木) 18:51
時事通信