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道徳の教科化 道徳は「揺れる」ことが大切? 小学校の教育

2/15(木) 10:20配信

ベネッセ 教育情報サイト

今回の学習指導要領改訂(2018年度から移行措置期間、2020年度から小学校で完全実施)による小学校での教育の大きな変更点は、「外国語を、小学校5・6年生から教科とする」「道徳を教科とする」「プログラミング教育を導入する」の三つです。

新学習指導要領作成の中核的メンバーである、奈須正裕先生(上智大学)に、今回はこの三つの変更点のうち「道徳の教科化」についてうかがいました。

なぜ「道徳」を教科に?

道徳は、教育課程の中で、「特別活動」や「総合的な学習の時間」と共に、広い意味での「生活教育」を担う領域です。学級会や児童会、学校行事といった「特別活動」は集団としての学校生活を自分たちでより良いものにしていく「暮らし」の勉強です。また、「総合的な学習の時間」は環境問題や地域活性化の問題などを子ども主体の探究的な学びとして展開していきますが、これはヨーロッパなどで盛んなシティズンシップ教育、つまり「市民」になっていくための勉強といえます。そして、道徳は、人間として倫理的に望ましい姿や自分としてそうあるべきだと思う姿を考え、現にそういう自分になっていくための実践力を育む勉強ですね。

戦前は「修身」という形で、社会が望ましいとする人間像を教え込む授業がありました。修身は軍国主義との関わりなどから批判され、戦後は停止されます。戦後は社会科を中心に全教育課程を通して、子ども自身に生き方を実践的に考えさせる取り組みがなされましたが、昭和30年に、「道徳」の時間が、その要として独立して設けられます。ただし、人間の生き方に「正解」はありませんし、他の教科のように数値的な評価はつけられないことなどから、教科にはなりませんでした。

では今回、なぜ道徳が教科化されることになったのでしょうか。
きっかけの一つにいじめ問題があります。
いじめや自殺の問題に際し、子どもたちに生命を尊重する感覚や倫理観が育っていないのではないかという議論があったのです。また、教科でないゆえ、地域によって取り組みにばらつきがあるという問題もありました。そこで、教科として週1回、年間35時間きちんと授業を行い、教科書も作ることとなったのです。ただし、これまでと同様、数値的な評価の対象とはならない方針です。

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