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カーリング藤澤五月が五輪前に残していた宿題とは? アメリカ戦で見えた手応えと課題

2/15(木) 10:51配信

VICTORY

14日、初戦アメリカ戦を10対5で破り、好スタートを切ったカーリング女子日本代表、ロコ・ソラーレ。そのスキップを務める藤澤五月は、平昌オリンピックに向けてある宿題を残していた。初戦で見せたその回答の一端と、課題。その先には、予選ラウンド突破が見えてくるはずだ――。(文=竹田聡一郎)

五輪前に語った、天然の気のある回答と宿題

昨秋のカナダ遠征、帰国前日に藤澤五月と話をした。まだオリンピックまで3カ月近く時間があったが、本番前はバタバタするだろうから早いうちに、目標であったり抱負だったりを聞きたかった。「メダルを狙います」まで直接的でなくとも、「夢の舞台ですから楽しんできます」くらいのコメントを引き出すつもりでいた。

しかし、日本のエースの口は思いの外、重かった。長い遠征を終え蓄積した疲労もあるだろうが、「まだそこまでイメージはしてなくて」と苦笑いを浮かべたのち語ってくれたのは、

「オリンピックというのは他の大会と違ってプレッシャーとかストレスとかあるとは思うんですけど、それを準備の段階でできるだけ少なくしたいな、という気持ちはある。いかに心地良い状態で大会に臨めるか。細かいことですけど、移動とか食事とか、バスタブやドライヤーあるかないかとか、ベッドの柔らかさとか」

という、オフアイスの過ごし方などのディテールだった。

原稿的には小ネタにはなるけれど、まさか「藤澤、マイナスイオンのドライヤー熱望」と大見出しは打てない。

続けて「あとは」と言うので言葉を待つと、「私は喉が弱いのでマスクとネックウォーマーとのど飴は持っていきます」というさらなる小ネタを出してくれた。ちょっと天然の気がある彼女らしい追い打ちではあったが、同じくこれでは見出しにはならない。

切り口を変えてみる。ソチ五輪後、藤澤五月というカーラーは大きな決断をしてきたと思うけれど、この4年は早かった?

「チームを変えたり、勝てなかった時期があって、今、思うと結構あっという間でしたね。悔しい思いはしたけれど、そのぶんダラダラ過ごすことがなかったのでそう思うのかもしれません」

過去から未来へと話を繋げ、ポジティブな言葉を待つのはインタビュアーの常套手段だ。念願の、8年越しのオリンピックへ。そんな思いを口にしてほしくて、畳み掛ける。

オリンピックという大舞台、全試合地上波で放送されます。日本中が藤澤五月に注目することになるけれど、自分のどんなショットに注目してほしいですか。

彼女は圧倒的な練習量をバックボーンにした多彩なショットが強みだ。石半個レベルで求められる精緻なドローも、早いウェイトのテイクも、いずれも苦にしない。オープンなハウスでフリーズを連発し2点を取るエンドもあれば、4失点覚悟の苦しいハウスをランバックトリプルで打開する離れ業もやってのける。

「自分の…ショット…。プレー……」

藤澤は呟き、少し頬づえをついて考えた後、「すいません。これ、宿題にしてもいいですか。オリンピックまでに考えておきます」。そう言った。

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最終更新:2/15(木) 12:58
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