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『ザ・シークレットマン』ウォーターゲート事件の裏口から覗く

2/15(木) 19:31配信

Stereo Sound ONLINE

ディープスロートと呼ばれた情報提供者を名優ニーソンが演じる

映画評論家 久保田明さんが注目する、きらりと光る名作を毎月、公開に合わせてタイムリーに紹介する映画コラム【コレミヨ映画館】の第3回をお送りします。今回取り上げるのは、ニクソン大統領を辞任に追い込んだウォーターゲート事件の裏側を描いた『ザ・シークレットマン』。とくとご賞味ください。(Stereo Sound ONLINE 編集部)



 1963年の11月22日に起きたケネディ大統領暗殺事件を扱った『パークランド ケネディ暗殺、真実の4日間』(2013年)は拾い物の1本だった。

 事件を目撃した市民や、瀕死の大統領が運び込まれた病院関係者など周囲の混乱から浮かび上がるアメリカ社会の実相。オリヴァー・ストーン監督の『JFK』(1991年)が大俯瞰図だったとしたら、こちらは裏口から入った人間ドラマ。こういう描き方も成熟なのだろうな、と感心した。

 もういちど裏口から覗いてみたよ。元報道記者のピーター・ランデズマン監督が再びアメリカ現代史の解釈に挑んだ意欲作。今回はストーン監督が『ニクソン』(1995年)で描いたウォーターゲート事件だ!

 主人公はニクソン大統領辞任の要因になった機密情報をメディアにリークし、30年後にそれを告白したFBI副長官だったマーク・フェルト(リーアム・ニーソン)。出世街道から外れ、娘は家出。妻との間もモヤモヤしている。正義感からだけの告発でなかったところに真実味があるのだ。

 ホワイトハウスの中には50席ほどの映画上映室がある。FBIやCIAと対立するトランプ大統領が、縁起でもない権力者の降板を扱ったこの作品を鑑賞することはないだろうけど。ちなみに大統領がメラニア夫人らとソコで最初に観た映画は『ファインディング・ドリー』だった。

■『ザ・シークレットマン』作品情報
2月24日(土)、新宿バルト9ほか 全国ロードショー
監督:ピーター・ランデズマン
原題:MARK FELT:THE MAN WHO BROUGHT DOWN THE WHITE HOUSE
配給:クロックワークス
2017年/アメリカ/1時間43分/シネマスコープ

Stereo Sound ONLINE / 久保田明

最終更新:2/15(木) 19:31
Stereo Sound ONLINE