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日本人女性が見た、ロヒンギャの女性に対する組織的な性暴力

2/20(火) 17:50配信

BuzzFeed Japan

女性を襲う性暴力

ミャンマーを追われ難民となったロヒンギャの女性の多くが、性暴力の被害にあい、望まぬ妊娠や流産などに苦しんでいる。命を落とす人も出ている。医療支援のため現地に入った日本人の助産師が、その実態をBuzzFeed Newsに語った。【BuzzFeed Japan / 貫洞欣寛】

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追われるロヒンギャ

「ロヒンギャ」とは、仏教徒が大多数を占めるミャンマー西部のバングラデシュ国境に近い地域に暮らしてきた、イスラム教徒を中心とする人々だ。

激しい暴力が

ミャンマー政府はこれまで、ロヒンギャの人々に対して差別的な政策をとり、多くは国籍すら与えられない状態が続いていた。長くくすぶってきたこの問題で事態が大きく動いたのは、2017年8月25日のことだった。ミャンマー軍が、ロヒンギャの武装勢力に対する掃討作戦を名目に各地で村々を破壊したのだ。

国連も「民族浄化」と批判

事態は軍事的な「掃討作戦」の枠を大きく超え、ロヒンギャの人々に対する組織的な迫害と追放の様相を呈した。膨大な人々が暴力を振るわれ、家を放火され、難民となった。国連のゼイド人権高等弁務官は、ミャンマーで起きていることを「民族浄化」と批判。国連機関や各国の支援団体が、難民キャンプなどでの支援を本格化させた。国際的な医療援助NGO「国境なき医師団(MSF)」も、その一つだ。

東京都出身の助産師小島毬奈さんは2017年11月から2018年1月まで、MSFのスタッフとして、バングラデシュのミャンマー国境に近い地域にある難民キャンプの医療施設に日本から派遣された。

「制服を着た男たちに...」高い組織性

そこで出会ったのは、家や財産を失ったり家族を殺されたりといった被害を受けた人々、過酷な環境で病気にかかった人々に加え、レイプの被害に遭った数多くの女性たちだった。

MSFがバングラデシュで運営する医療施設だけで、2017年8月25日から12月末までの間に治療した性暴力の被害者は120人にのぼる。多くは若い女性。3割は18歳未満で、小島さんが実際に会った被害者には、わずか9歳の少女もいたという。ある20歳ほどの女性は、小島さんにこんな体験を語った。

「家族の前で何度もレイプされた。銃を持った人が来て兄と父がいきなり撃たれた。その遺体は地面に掘られた穴にほかの多くの遺体とともに投げ入れられた。幼い弟は無理矢理連れて行かれて火の中に入れられ殺された。空き家に入れられ、気を失うまでレイプされた。目が覚めたら周りが燃えていて、裸のまま国境近くまで走って逃げた」

この女性が逃げる途中、一緒にいた妹が撃たれた。だが、立ち止まったら自分も殺されると思い、そのまま走って逃げるしかなかった。女性はやがて国境を越え、バングラデシュ側の難民キャンプにたどり着き、MSFの診療所で治療を受けた。

小島さんは「これは典型的なケースと言えます。多くの人が、家族の前でレイプされたり、閉じ込められて繰り返しレイプされたりしたと語りました。そして、家や遺体に火をつけられたと語る人が多い」と振り返る。

さらに被害を受けた女性らが声をそろえたのは「制服を着た男たちに襲われた」という点だ。小島さんはこれらの証言から「女性に対する性暴力が、組織的に行われたことは明らかだと感じます」と語る。

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最終更新:2/21(水) 10:13
BuzzFeed Japan