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「この練習、本当に必要?」 非効率で形骸化する日本のキャンプの現状を考える

2/22(木) 17:10配信

VICTORY

プロ野球の春季キャンプが大詰めを迎えている。新シーズンへ向けたチームづくりを進めるうえで欠かすことのできないこの時期の風物詩となっているが、その中には、選手が何の目的かわからないままなんとなくやっているという練習メニューもたびたび見られる。はたして、現状のキャンプの仕組みはこれが“正解”といえるのだろうか――?(文=花田雪)

「全員集合」のキャンプにあるメリットとデメリット

プロ野球の春季キャンプも、終盤を迎えている。2月24日からはオープン戦も始まり、各球団はシーズン開幕へ向けて徐々にエンジンをかけていく時期がやってきた。

キャンプでの見どころといえば、新戦力の状態や主力選手の仕上がり具合だが、各球団の練習メニューや内容には、正直ほとんど差はない。

もちろん、球団によって練習時間が多少違ったり、観客の多さやチームの雰囲気などの差はある。ただ、「この球団は、他球団と比較して面白いことをやっているな」という分かりやすい違いがあるかというと、そうではない。

プロ野球では、2月1日に12球団が一斉に春季キャンプをスタートさせる。アリゾナでキャンプイン(17日からは沖縄)する日本ハムを除いた11球団は国内の宮崎、沖縄で約1カ月間、シーズンに備えることになる。

球団によって多少異なるが、「4勤1休」もしくは「5勤1休」のサイクルが基本。投手組、野手組がA班、B班に分かれて、そこからさらに3~6人に組み分けられる。日によってメンバーが変わることもあるが、組ごとにローテーションでメニューをこなしていくというのが一般的だ。

筆者は今年、宮崎で昨季王者のソフトバンク、広島を中心にキャンプ取材を行ったが、選手個人で目を引くケースはあっても、練習内容やチームとしての取り組みに目新しさを感じることはなかった。

12球団すべてが、全く同じ日に、ほぼ同じ場所で、「全員集合」でスタートさせる日本球界の春季キャンプ。当然ながらそこにはメリットとデメリットが存在する。

メリットとして挙げられるのは、全選手が揃うことで連係プレーなどを入念に仕上げていくことができること。さらには、新入団選手がチームに溶け込む機会が与えられることだろう。

1カ月間、同じ宿に泊まり、同じグラウンドで汗を流す。シーズンが始まれば全体練習の時間などは限られてくるし、連係の確認やチームワークの形成をするタイミングは、春季キャンプくらいしかない。

その一方で、「全員集合」することによって選手個々の練習時間が制限されてしまうというデメリットも存在する。

プロ野球選手に「キャンプでのテーマ」を聞くと、十中八九返ってくる答えが「シーズンを通して戦えるための体づくり」だ。

ほぼ毎日試合があるシーズン中は、疲労を貯めないために体に負荷のかかるような厳しい練習を行うことはできない。だからこそ、シーズン前のこの時期に、体を徹底的にいじめ抜いて1年間戦える肉体をつくり上げる。

ここでひとつ、疑問が生じる。「シーズンを通して戦える体づくり」は、果たして春季キャンプのような全体練習でないと実践できないのか。

答えは、ノーだ。

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最終更新:2/22(木) 21:31
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