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絵本は誰のためにある? のぶみ氏炎上を見て考えたこと

2018/2/23(金) 6:50配信

BuzzFeed Japan

子供向けの作品で、親を泣かせる意味

今回、「あたしおかあさんだから」が炎上した理由の一つは、この歌が子供向けの番組の中で放映されたことにあると思います。

小さな子供が見て楽しむための番組で、「おかあさんへの応援歌」が歌われた。些細なことに見えて、絵本作家のぶみ氏が潜在的に炎上リスクを抱えていた本質がここにあったと私は思っています。

のぶみ氏は、ヒット作をいくつも持つ絵本作家です。母親が死んでしまう『ママがおばけになっちゃった!』(講談社)、子供が親を選んで生まれてくるという『このママにきーめた!』(サンマーク出版)、スマホを見ながらの育児を批判する『ママのスマホになりたい』(WAVE出版)などの作品があります。

のぶみ氏は母親たちに何が支持されるかというマーケティングによって制作していることを公言しています。実際に作品は売れていますが、子供でなく親を泣かせるための作品であるとの批判がなされてきました。

絵本は子供のためにある

絵本は言うまでもなく子供のためにあるものです(大人が読むために書かれた大人向けの絵本という例外はあります)。

おばけシリーズが世代を超えて読み継がれている絵本作家せなけいこさんは、インタビューで代表作「ねないこだれだ」についてこのように話されていました(東洋経済ONLINE「名作絵本『ねないこだれだ』の意外な真実」より)。

”この本はよく、しつけのための本と間違われるのですが、そんなつもりで書いたのではありません。しつけの本だったら、子どもはこんなに好きになってくれるはずがありません。子どもは敏感ですからね。そういったことはすぐにわかってしまうんです。

絵本の最後に、夜なかなか寝ない子どもがおばけに連れられて飛んでいくというシーンがあります。大人はこれを「早く寝ないといけない」という、しつけのメッセージだと思うかもしれません。

でも違うんです。だって、おばけの世界へなら、子どもはきっと飛んでいってみたいでしょ? わたしだって、そうなのだから。実際に、私の娘などは「いいよ、とんでいくよ」といっていました。

私の本にでてくるおばけは、子どもを脅すおばけではないんです。ましてや誰かが死んで、化けて出てくるのでもない。おばけは、おばけの世界で自由気ままに生きている。そして、子どもはそのことを知っているのです。だからちょっぴり怖くても、やっぱりおばけが好きで仕方ないんです。しつけをしたり、脅したりするおばけだったら、子どもが好きになるはずないじゃないですか。”

せなけいこさんが、あくまでも子供目線で、子供が楽しく読める作品として絵本を制作されてきたことがとても伝わります。

また、馬場のぼるさんの「11ぴきのねこ」シリーズを編集された公益財団法人東京子ども図書館幹事、佐藤英和さんは、雑誌のインタビュー(MOE 2018年3月号)子供が何を喜ぶかを探求され、1冊を作るのに何年も推敲を重ねられたことを話されています。

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最終更新:2018/2/23(金) 11:40
BuzzFeed Japan

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