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国会で揉めてる「裁量労働制」 そもそも何が問題なのか?

2/23(金) 16:40配信

BuzzFeed Japan

国会でいま「裁量労働制」が注目を浴びている。その対象職種の拡大めぐる働き方改革関連法案の議論で、データの不適切使用があり、安倍晋三首相が答弁を撤回。さらにほかにも数値の異常などの不備が見つかり、野党は批判を強めている。【BuzzFeed Japan / 籏智広太】

実はこの「裁量労働制」をめぐる議論は、多くの人にとって他人事ではない。なぜなのか、改めて問題点を振り返る。

まず、経緯を振り返る

そもそも、「裁量労働制」とは、みなし労働時間制の一種で、労働時間に関わらず賃金が支払われる制度だ。

働き手は自らの「裁量」で仕事ができるとされている反面、長時間労働をしても残業代は支払われない。それゆえ、会社側による濫用の危険性もある。

対象業務などの基準は厳しい。現行法では、研究者や記者、デザイナーなど専門的な職種(専門業務型)や、企業の中枢などで事業計画などに携わる業務(企画業務型)に限られている。

しかし、裁量がない労働者に適用され、結果として長時間労働を強いられているケースは少なくない。「ブラック」な長時間労働や残業代未払いのトラブルも相次いでおり、「定額働かせ放題」という批判もあがっている。

また、野村不動産や外資医療機器大手の日本メドトロニックのように、裁量労働制の不正をめぐり、労基署から是正勧告を受けている会社も出ている。

政府は、対象業務を一部の営業職などに広げる法改正を目指している。ただ、その定義が不明確なため、会社側による濫用の危険性がさらに高まるとの批判も上がっているのだ。

明らかになったデータの不適切使用

そんな法改正の議論の中で明らかになったのが、厚労省の調査結果をめぐるデータの不適切使用だった。

安倍晋三首相は1月29日、裁量労働制が適用されている人の労働時間に言及し、「平均的な方で比べれば、一般労働者よりも短いというデータもある」と述べていた。

しかし、このデータが不適切だったのだ。裁量労働制と一般労働者のデータを、本来は比べられないにも関わらず比較していた。

議論が始まってから3年にわたって、不備のある比較データを使っていたことになる。批判を受け、首相は2月14日に答弁を撤回。謝罪した。

さらにこれ以外にも、行政、労働者、企業側(公労使)で法案を議論した労働政策審議会(労政審)に出されていた資料で、残業時間が「1日45時間」といった数値の異常が見つかるなど、問題が収まる気配はない。

野党は強く反発しているが、政府は「働き方改革国会」と位置付けた今国会での成立を諦めていない。背景には、経済界からの強い要望がある。

施行時期を1年遅らせるとしているが、法案には問題ないとの構えだ。「残業時間の上限規制」との抱き合わせ法案であることも、撤回を拒む理由にしている。

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最終更新:2/23(金) 18:29
BuzzFeed Japan

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