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サトウキビの島 未曾有の危機 葉先 茶色に・・・無念 収量最低、低糖度 鹿児島・種子島

2/24(土) 7:02配信

日本農業新聞

 サトウキビ産地の鹿児島県・種子島が危機にひんしている。10アール当たり収量と平均糖度の落ち込みが激しく、農家の手取り額は前年の3分の1に減る見込みだ。昨秋の台風被害が表面化した。糖度低下は同県の喜界島や沖永良部島でも広がっているが、収量にも影響を受けたのが種子島だ。島のサトウキビを全量加工する製糖会社の製糖量も過去60年で最低になりそうだ。JA種子屋久は「このままでは島の基幹産業が成り立たなくなる」と悲鳴を上げる。

 「こがんとで糖度が上がるわけなか」。23日、サトウキビ畑を見回った中種子町の農家、梶屋良幸さん(67)は吐き捨てるように言った。通常ならまだ青々としているはずが、梶屋さんがつかんだ1本は葉先まで茶色く変色していた。従来は12月中旬の収穫開始から、徐々に糖度が上がっていく。だが、今年は糖度の低下が止まらず、農家は焦りを募らせる。「サトウキビの成長も進まず、収量もかなり少ない。こんな年はなかった」。梶屋さんの表情は暗い。

台風に病気発生

 8~10月に相次いだ台風が原因だ。種子島は、8、9月の生育期に葉が裂けたことで成長が著しく鈍化した。

 回復の兆しが見えてきた10月、再び台風被害が発生したことで、糖を蓄える登熟期も十分に光合成ができなかった。傷んだ葉先からはサトウキビさび病が広がった。広範囲で葉先が茶色くなり、さらに状況が悪化した。

 喜界島や沖永良部島は8、9月の生育期には台風の影響が少なかったため収量に大きな影響はなかったが、糖度は伸び悩んだ。沖縄県でも一時、糖度の低い状態があったが、2月になって回復に向かっている。

手取り額に直結

 種子島が深刻なのは、農家手取りに直結する収量、糖度のいずれもが、過去にないほど落ち込んでいることだ。

 JA種子屋久が20日に試算したところ、10アール収量は過去5年平均より15%少ない4・9トンにとどまる見込み。原料価格や交付金の額を左右する平均糖度は、20日現在で10・46と前年より3、前々年より2低い。JAによると、昨年は7万7000円だった10アール当たりの農家手取り額は、わずか2万7000円。「ここ数年、不作の年が続いており農家に蓄えがない。離農者の増加につながりかねない」と懸念する。

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最終更新:2/24(土) 7:02
日本農業新聞