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金銀「GT-R」のヒミツ 制作者・井澤孝彦さんに聞くその技術、制作背景、反響

2/24(土) 11:11配信

乗りものニュース

世界が驚愕、黄金&白銀の「GT-R」

「東京オートサロン」や「大阪オートメッセ」、そして50年以上の歴史を持つ米国「SEMAショウ」など、世界の名だたるカスタムカーイベントで近年、注目を集めている日本人カスタムペインターが井澤孝彦さんです。

【写真】白銀のスバル「WRX」

 筆者(加藤久美子:自動車ライター)が井澤さんの作品を初めて知ったのは、2016年11月の「SEMAショウ」でした。閉館時間となり、急ぎ足で巨大な会場を移動していたときのことです。ほかのブースはもう片付けを始めているタイミングでしたが、とあるブースににはまだ多くの来場者がいました。人々が取り囲んでいる先にあったのは金色の日産「GT-R」。自動車業界の末席に30年近く身を置く筆者ですが、それはいままで見たことがない車でした。

 近寄ってみると美しく繊細で立体的な装飾がボディ全体に施されています。「GT-R」はアメリカでも大人気のスポーツカーで、カスタムされた「GT-R」は「SEMAショウ」にも毎年多く出品されていますが、そこに展示されていた「GT-R」は明らかにほかとは別次元。圧倒的な存在感と強烈なインパクトを与えていました。

 黄金に光り輝く「GT-R」を作ったカスタムペインターである、奈良県在住の株式会社ROHAN代表 井澤孝彦さんに、お話を聞く機会を頂きましたのでご紹介します。

ボディ全体を彫り込む「エングレイビング」とは

ーー黄金の「GT-R」は圧巻ですね。ボディに直接、彫刻をしているのでしょうか?

 はい。「エングレイビング」という手法で、それ自体は昔からアメリカのカスタムカーにはよくありました。ただし、金属製のバンパーなど一部分で、ボディ全体にエングレイビングを行うことは誰もやっていなかったですね。ばく大な手間と時間が掛かりますし、その技術もなかったのだと思います。私が行うボディへのエングレイビングは、まずプライマー(下塗り塗料)を厚塗りしたボディパネルにマスキングを丹念に施して行きます。そしてフリーハンドできっちり左右対称となるよう下絵を描き、電動彫刻刀で掘っていきます。わずかなミスも許されませんね。コンマ1mm以下のミスをしてもすべて最初からやり直します。1台仕上げるのに塗装を含め、最低でも半年は必要です。

ーーこの金色の塗装も素晴らしいですね。

「3Dメタルペイント」と呼ばれる塗料で、原料メーカーと私が10年以上の歳月をかけて開発し、完成させました。顔料をナノ粒子まで砕くことによって透明感や光沢が非常に美しく出ます。また、特殊樹脂を配合することで約3年間の紫外線テストもクリアしています。エングレイビングをさらに立体的に美しく見せる効果があり、金色の他に銀色の塗料もあります。

 従来のクロームシステムやメッキ加工は変色や腐食が起こりやすく、車のボディ全体への施工は困難でしたが、この3Dメタル塗料は通常の自動車用塗料と同様、塗装ブースにてほぼ同じ工程で作業を行うことが可能です。最大の特長は、大変美しい金銀の光沢を発色しながらも、色落ちや色あせが起こらないこと。また、ボディ面はもちろんウレタンやFRP、アルミやステンレスなど自動車のボディに使われるほぼすべての素材に塗装できることも大きな特長です。ちなみに、銀色の「GT-R(KUHLJAPAN PROJECT R35GT-R)」は2015年1月開催の「東京国際カスタムカーコンテスト」で総合1位となるグランプリを頂きました。金色の「GT-R」を作ったのはそのあとですね。

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