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赤い新型ロマンスカー70000形「GSE」に乗った! 小田急自慢の展望席、その実力とは

2/25(日) 10:10配信

乗りものニュース

開放感が印象的!

乗りものニュース

 小田急電鉄にまもなく、10年ぶりに登場する新型の特急ロマンスカー車両70000形「GSE」。2018年2月23日(金)、メディア向けの試乗会が実施され、ひとあし早く乗車してきました。「GSE」は「Graceful(優雅な) Super Express」の略です。

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 試乗会は、東京都世田谷区の喜多見電車基地からスタート。車内へ乗り込み、座席に座ると、大きな窓が視界に飛び込んできました。既存の白いロマンスカー50000形「VSE」や青いロマンスカー60000形「MSE」より、30cm大きい100cmの高さがあるとのこと。天井まで2.4mという高さとあいまって、車内は開放感が印象的でした。

 前席の背面には雑誌などが入るポケットのほか、フックが3か所と、さらに傘やドリンク用のホルダーも。また、大きな荷物を頭上の荷棚や座席の下、乗降口付近の専用スペースに置けるなど、収納関係が充実しています。

 全席に用意されたコンセントは肘掛けにあり、座席を回転させて向かい合わせにしても使用可能。同様に肘掛けへ収納されている各席のテーブルは、大きくはないですがA4サイズのノートPCが置けるため、移動時間に仕事を、という需要にも応えられそうです。

 なお試乗会は、喜多見電車基地~成城学園前~唐木田車庫~梅ヶ丘の行程で行われました。

最大級の特徴&ロマンスカーの伝統「展望席」へ!

「GSE」最大級の特徴で、小田急の特急ロマンスカーの伝統ともいえる「展望席」へ向かいます。

 客席の上に「GSE」は運転台を設け、優れた前方(後方)眺望を確保。無くすことが難しいピラー(柱)についても、薄く見えるよう工夫するなどし、同様の展望席構造を持つ既存のロマンスカー「VSE」より、広い視野を実現したそうです。

 この展望席がある先頭車両では、座席上に荷棚が設置されていません。視界をさえぎるものを無くし、先頭車両全体で展望を楽しめるようにしたといいます。

 実際に展望席からの前方眺望を体験しましたが、迫ってくる風景と、左右に流れていく風景、「GSE」は横方向の眺望も優れているため、その相乗効果によるインパクトのある視界が心に残りました。

 小田急電鉄によると、新型ロマンスカー70000形「GSE」の開発にあたって課せられたのは、「これまでにない眺望の展望席を設置」と「ホームドアへの対応」、そして「7両編成で400席を確保」。日本有数の観光地である「箱根」への特急として非日常の空間を演出しつつ、安全性を高め、かつ、編成を箱根登山鉄道線(小田原~箱根湯本)を走れる7両に抑えながら最大限の定員を確保し、通勤通学といった日常利用にも対応できる車両として誕生したのが、この70000形「GSE」です。

 試乗では、校庭からこちら――思わずやって来た「GSE」を見つけて指を指し、手を叩いていたジャージ姿の中学生たちや、老若男女がスマホのカメラを「GSE」向けていたことが印象的でした。

 新しい小田急の“華”、「GSE」の営業運転開始は2018年3月17日(土)、新宿駅を朝の9時ちょうどに発車する箱根湯本行き「スーパーはこね5号」です。小田急電鉄によると、土休日の「GSE」で運転される列車は残席が少なくなっているものの、平日はまだ比較的席に余裕があるとのこと(2月22日時点)。

 ちなみに、運転台が客席の上にある「GSE」。運転士は車内天井に収納されている階段を下ろして、登っていきます。小田急電鉄で特急ロマンスカーの運転士になるには、一般列車における3年以上の経験と、試験への合格が必要だそうです。

恵 知仁(鉄道ライター)