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ブラジルはなぜW杯メンバーを早々に発表したのか? 緻密な計画に迫る

2/25(日) 18:00配信

VICTORY

クラブと連携して選手たちの情報を細かく把握

2016年6月の就任からここまで、17戦13勝3分1敗で構築してきたチームに関し、チッチは歴代監督達への感謝を忘れない。

「私は良い遺産を引き継いだんだ。今のチームは、2013年の成功(コンフェデレーションズカップ優勝)と、2014年の不成功(W杯敗退)をベースにしている。それに、レナト・アウグストやアリソンが代表に定着しているのは、ドゥンガの遺産」

それに加え、チッチによって新たに招集された選手が期待に応えた。例えばガブリエウ・ジェズスは、フル代表デビュー戦で2ゴールを決め、その後、マンチェスター・シティへの移籍というキャリアの転換期も、その直後の右足骨折も乗り越え、ブラジル代表の主力にふさわしいプレーを続けてきた。

また、チッチによって代表復帰を果たしたパウリーニョも、その陰にある彼自身の不屈の努力に、日の当たる機会を与えられたものだ。2013年コンフェデ優勝後、コリンチャンスからトッテナムへの移籍を果たした彼は、1年目こそ活躍したものの、2014年W杯敗退後の2シーズン目は出場機会を大幅に減らし、中国の広州恒大へ移るに至った。W杯後は、代表からも外れていた。

しかし、チッチは彼を招集した。もちろん、コリンチャンス時代の彼をよく知っていたのもあるが、招集を決める前にはスタッフを中国に送り、その時点の彼の状況を確認した。視察したアシスタントコーチは帰国後、熱弁したそうだ。

「パウリーニョは技術的に非常に良く、2013年コンフェデ杯やコリンチャンス時代のようにプレーできる。しかも、フィジカル的にはもっと完璧な選手になり、もっと成熟もしている」

その成果が代表で発揮され、バルセロナ移籍にも繋がったのだ。そして、期待に応え続けることで、W杯出場枠も確実なものにした。

この2月、チッチと技術委員会スタッフは、総出で世界各国を飛び回っている。もちろん、まだ空いている招集枠の選手選考も目的の1つ。さらに、すでに選んだ選手達や、選ぶ可能性の高い選手達と共に、W杯に向けてより良い準備をするのも、大きな目的だ。

そこにも、チッチならではの手法が伺える。というのも、監督やアシスタントコーチ、または代表コーディネーター等が、試合や練習を視察したり、クラブを訪問するのは、どこでもやることだろう。しかし、チッチはさらにフィジカルコーチにも、国内外のクラブ訪問を託しているのだ。

その目的は、試合や練習を間近に見て、コンディションを確認するだけでなく、欧州のクラブとも連携を取って、W杯直前合宿のプランを練ることだ。そのため、招集予定の選手達に関し、この1年間を通したフィジカル面の記録、大小すべてのケガや痛み、日頃の個別トレーニングのメニュー、継続的に服用しているサプリなど、クラブでのあらゆる情報を共有しつつある。

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最終更新:2/25(日) 22:39
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