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「大学進学を後悔」奨学金とカードローンで借金1100万円、自己破産の27歳

3/1(木) 12:11配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

ドシン! 全身に強い衝撃を受けて、慌ててブレーキを踏んだが間に合わなかった。

2017年5月下旬の早朝。畠山博さん(27)は居眠り運転でガードレールに衝突した。幸い、と言っていいのか、乗っていた軽自動車は大破したものの、けが人はなかった。

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5月から教育ベンチャー企業で働き始めたばかりの畠山さんは、奨学金やカードローンの返済と生活費補てんのため、土日はコールセンターでバイトし、さらに家業の農業も手伝っていた。事故は、田植えのため50キロほど離れた実家に戻る途中で起きた。

「今の生活では持たない」

大破した車を見て痛感したが、勤め先の給料は手取りで約15万円。毎月の返済額は合わせて約5万円。途方に暮れるしかなかった。

農家の長男、母子家庭で高校から奨学金

畠山さんは九州の小さな農村で生まれ育った。家は代々続く農家の本家。婿養子に入った父は、畠山さんが中学生のときに離婚し、出て行った。以後、家では祖母が一人で農業を営む。母は以前からパートに出て、家業からは距離を置いていた。3人兄弟の長男だった畠山さんは、早い時期から跡取りとしての役割を背負っていた。

家計は楽ではなかった。県立高校在学中から奨学金を借りた。2人の弟は工業高校卒業後就職したが、県内有数の進学校に入った畠山さんは、国立大学を目指した。しかし第一志望の国立大学は不合格。代わりに、隣県にある難関私立大学法学部に合格した。

「自宅から通うにはちょっと遠かったし、うちには私立に行けるだけのお金がないと分かっていた。でも浪人して予備校に通うのも難しい。どうするか迷った」

背中を押してくれたのは母だった。

「あんたがうちで一番勉強できるんだから、少しくらい学費が高くても大学に行った方がいい」

とは言うものの、入学金すら親戚から借りないと賄えない。高校時代の奨学金に重ね、大学ではさらに日本学生支援機構から一種(無利子)、二種(有利子)の両方の奨学金を借りた。アルバイトもして、学費と一人暮らしの生活費を工面、2012年3月の卒業後は、地方の中小証券会社に就職した。

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