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6時間では足りない。週末寝だめが睡眠不足を習慣化させネガティブ思考に

3/3(土) 12:10配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

成人睡眠時間の減少、週末長く寝ている人は要注意

この試験から、「日頃の睡眠時間+1時間」を目標にするといいことが分かる。

それにしても、試験対象者のように7.5時間寝ていても、体にとっては不足というのは驚きだ。ビジネスパーソンの中には、睡眠時間が5、6時間台の人も少なくないだろう。厚生労働省の調べでも、ここ10年で、成人男女の睡眠時間は「6時間以上7時間未満」と回答した人が減るのに対し、「6時間未満(5時間未満と5時間以上6時間未満)」は増え続けている。

自分は6時間睡眠で充足されている、という人もいるかもしれないが、週末に平日より多く寝ていたら体は充足されていない証拠だ。週末の寝だめによって眠気は軽減するが、ホルモン分泌や代謝の異常は週末だけでは回復しない。むしろ「眠気が軽減する分、習慣として定着しやすく、ホルモン分泌や代謝の異常も起き続けるという悪循環に陥る」(三島氏)。

この長期化が、生活習慣病の発症リスクを上げるのだ。

睡眠負債でネガティブ思考に

NHKスペシャル「睡眠負債が危ない」により、一気に広まった「睡眠負債」という考え。わずかな睡眠不足がまるで借金のようにじわじわ積み重なることを指す。

こうした負債の状況が続き、健康を害して一時仕事を離れたり休んだりできれば、溜まった睡眠不足=睡眠負債はまとめて“返済”できる。問題は症状が顕在化するまでには至らずに、「なんとか頑張れる」という状態を続けている人。病気の発症リスクを上げるだけではなく、思考がネガティブに傾きやすくなるともいう。

「睡眠不足の人に、ネガティブな感情刺激(他人の不愉快な表情など)を与えると、脳の記憶と情動をつかさどる扁桃体が過活動を起こし、過剰な反応を示すことがわかっている。扁桃体の過活動を抑えるのは前頭葉の働きだが、その機能が利きにくくなるため。つまり、睡眠が充足している人よりも感情ストレスを受け、不安や憂うつ、落ち込みなどの抑うつ症状が生じやすくなると推測できる。最新の研究で、睡眠は認知症の原因になる脳内物質を除去する働きがあることもわかっている」(三島氏)。

ときには、睡眠時間を削って仕事や育児、勉強をしなくではいけない時期がある。人は、寝るために生きているわけではないからだ。しかし、体調を崩したとき、偏った食生活や運動不足、飲酒、喫煙などの健康リスクと同じぐらい、睡眠不足もインパクトがあることを覚えておきたい。

最近はスマホのアプリや腕時計タイプのウエアラブル端末で、睡眠の質を測れるものが増え、利用している人もいるだろう。三島氏によると、それらは一種の遊びとしてやるレベルのもののようだ。

「体動によって測定するものが多いが、身体に密着させるセンサーを使ったかなり高機能のものでも、睡眠の深さまでは判定できない。従ってスマホアプリでは測定不可能。スマホを置くベッドマットの硬さなどで、測定結果が全然変わる」(三島氏)

測定結果の良し悪しが気になるものだが、振り回される必要はないことを補足しておく。



(文・茅島奈緒深)

茅島奈緒深 [ライター]

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