ここから本文です

古河王国の礎築き足尾成功で銅山王 公害問題は耳を貸さず 古河市兵衛(下)

3/16(金) 15:40配信 有料

THE PAGE

 古河市兵衛の快進撃は続きます。大金が必要で、掘り進めても鉱脈に当たらず、経営不振に陥る人たちが多い中、浮沈を繰り返すも、古河はうまく乗り切って生きます。のちに公害事件を引き起こし、経営者としての賛否が問われた足尾銅山は、古河が最も苦心して掘り当てた鉱脈のひとつでした。古河の最盛期から晩年までを市場経済研究所の鍋島高明さんが解説します。


  旧主人に銅山の自慢をしそこなう

 古河市兵衛の逸話に「旧主人に銅山の自慢をしそこなう」という件がある。

 ーー市兵衛は鉱山業に成功して一気に数百万円の富を手に入れ、“チョンマゲ大尽”の名が全国に響き渡っていた。そんな時、旧主人に当たる小野組の小野善右衛門が奥羽見物に向かうとの知らせが入る。それでは途中、宇都宮で降りてもらって足尾銅山の盛業ぶりを見てもらおうと手代数十人を引きつれて宇都宮駅頭に出迎える。

 ところが、時間になっても旧主人は現れない。市兵衛は不審に思いながら宴会場となる予定の足尾へ着く。すると脚絆に手甲掛け姿の老人が風呂敷包みを十文字に背負ってにこにこ笑っている。老翁曰く。

 「久し振りだな、市兵衛。立派になったなあ」

 市兵衛が老翁をのぞき込む。かつて仕えた旧主人に間違いない。市兵衛は頭を下げて謝った。  本文:2,191文字 この記事の続きをお読みいただくには、THE PAGE プラスの購入が必要です。

サービスの概要を必ずお読みいただき、同意の上、ご購入ください。 購入した記事は購読一覧で確認できます。

  • 通常価格:
    648円/月(初月無料)
    会員価格会員価格:
    540円/月(初月無料)

THE PAGE プラスの記事一覧へ戻る

最終更新:10/2(火) 15:43
THE PAGE