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堺市アスベスト「取り残し」問題 「記録の改ざんは市の指示」 建築局長認める

3/8(木) 12:40配信

アジアプレス・ネットワーク

大阪府堺市が書類送検された煙突のアスベスト違法工事後の2017年3~4月に実施された現場の後片付けの工事で「取り残し」が存在していたとの疑惑が発覚。今回は堺市議会における追及を報告する。(井部正之)

[関連写真を見る]知らぬうちに体蝕むアスベスト。危険を知らされず防じんマスクもしていない石綿工場の若い女性行員たち。笑顔が痛々しい。(9点)

◆建築局長が市指示の隠ぺい認める

堺市によるアスベスト「取り残し」隠ぺいは私文書偽造罪に当たる可能性がある──。

3月5日に開催された大阪府堺市議会本会議で市による違法行為の疑いが持ち上がった。

指摘をしたのは長谷川俊英市議である。長谷川市議はまず取り残し記録隠ぺいの経緯を尋ねた。

答弁に立った窪園伸一建築都市局長は「5月中旬に測定会社から元請け業者を通じて提出された3冊の測定結果報告書の一部です。それは測定の目的と異なるものが添付されているという理由から合計34ページを濃度測定の現場状況写真とあわせて取り外した」と手元の答弁資料を読み上げた。

この間報じてきたように、情報公開請求をしたのは被害者団体、中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会前会長で堺市在住の古川和子さんだ。開示された文書の途中からページ番号が抜けていたり、現場の測定状況を撮った写真がないことを不審に思い、市に問い合わせたところ、市建築課が元請け業者との打ち合わせ段階ではそうした写真が存在していたことを認めた。

元請け業者が修正前の報告書を所有していたため、市が“仲介”するかたちで報告書の欠落部分を入手した古川さんは削除されていた記録にアスベストの「取り残し」や周辺への散乱が指摘されていたことを知り、「記録が隠ぺいされた」と追及を始めた。これが今回の問題のきっかけである。

こうした経緯を説明した後、長谷川市議は「隠したと指摘される行為はいったい誰の指示でおこなわれたのか」と聞いた。

窪園局長は「私ども担当職員が軽々に判断して報告書から外すように元請け業者に指示した」と市建築部の指示による隠ぺいを認めた。

◆市の違法行為疑惑を追及

現場で測定し報告書を作成した分析機関に確認したところ、元請け業者から宛先を堺市長宛に変更すること以外は修正を求められていないと話していたと長谷川市議は説明。さらに分析機関は現場の状況写真やコメントは測定結果の真実性を証明するため必要なものだったとも言っていたという。

長谷川市議は報告書を見せながら、会社の公印や担当者の私印が押されていることに触れ、「有印の文書を作成者の承諾を得ることもなく、一部を抜き取り、ページ番号を消した。このような改ざんは法に触れないのか」と追及。

窪園局長は「法の知識がない」と釈明しつつ、何度も言い間違えをしながら改ざんが「不適切だった」と認めた。

これらの市指示による改ざんは刑法159条第2項の私文書偽造罪に当たる可能性があると長谷川市議は指摘する。

また、分析機関がアスベストの「取り残し」などについて記載を含めたのは測定結果の真実性を明らかにするためだったことから、それを削除したり書き換えたりすることは「信用を毀損」することになるため、刑法233条の偽計業務妨害の疑いすらあると付け加えた。

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