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内閣府に告発状・貴の首切れ 親方衆激怒で協会とバトル再燃

3/11(日) 11:10配信

東スポWeb

 ついに全面戦争――。9日に大阪市内で行われた日本相撲協会の理事会で、八角理事長(54=元横綱北勝海)は民放テレビ局の番組に貴乃花親方(45=元横綱)が“無断出演”した問題で厳重注意を予定していたが、本人がまさかの欠席。同親方の「職務放棄」とも取れる行動に新たな波紋が広がった。一方で貴乃花親方はこの日、超ド級の爆弾を投下。弟子の十両貴ノ岩(28)が元横綱日馬富士(33)から暴行を受けた事件で、協会の対応に問題があったとして内閣府に告発状を提出したと発表したのだ。「貴VS協会」は抜き差しならぬ事態に突入した。

 この日の理事会の席上では、八角理事長が“無断出演”問題で、貴乃花親方に対しても厳重注意を行う予定だったという。ところが…。当の本人は理事会を欠席。広報部長の春日野親方(55=元関脇栃乃和歌)は「理事長から(貴乃花親方への)言葉も用意されていた。本人が出てきていないので。相手がいないので、どうしようもない」と困惑の表情を浮かべた。

 昨年10月の秋巡業中に貴ノ岩が元横綱日馬富士から暴行被害を受けた。貴乃花親方は相撲協会による調査に非協力的な姿勢を貫いたことから、協会は「理事」から2階級下の「役員待遇委員」への降格処分を下した。しかし今でも立場上は協会の役員で、理事会のれっきとした参加メンバーの一人。理事会での議決権こそ失ったものの、発言権を有しており一門の代表として協会に意見を伝える重要な役割を担う。実際、この日も貴乃花親方以外の役員待遇委員4人は全員が理事会に出席。理事会欠席でも特別な罰則はないとはいえ、今回の不参加は「職務放棄」と受け止められているという。

 この日の理事会後に開かれた年寄総会では日馬富士の傷害事件をめぐり、貴乃花親方が“無断出演”した番組内での主張と相撲協会の調査内容が食い違う点について、相撲協会の危機管理委員長の高野利雄外部理事(元名古屋高検検事長)から説明があった。高野理事は調査の正当性を強調する一方で、親方衆からは「貴乃花親方の処分はどうなるのか」と責任を問う声も上がったという。

 そうしたなか、貴乃花親方が理事会を欠席した“理由”が明らかになる。この日の午後10時過ぎ、貴乃花親方が弁護士事務所を通して報道各社に送ったファクスには、協会が取った傷害事件への対応に「重大な疑義」があるとして、貴乃花親方が立ち入り検査や適切な是正措置を求めて9日に内閣府公益認定等委員会に告発状を提出したと記されていたのだ。

 貴乃花部屋の公式サイトにも親方のメッセージが掲載され、「重大な疑義」について説明している。相撲協会が行った暴行事件の調査が第三者により行われたものではないとして、調査にあたった危機管理委員会の報告は被害者の貴ノ岩の主張を全く反映しておらず「公正中立な内容とは到底評価できないものであり、身内による全く不十分な調査と報告をもって済ませようとしています」などと批判した。さらに親方自身が1月4日に理事を解任されたことに「私の理事解任理由とされた事項は、いずれも、法的には、解任事由に相当するような理事の職務義務違反になると認めることは困難」として、処分は不当だと主張している。

 内閣府公益認定等委員会は公益財団法人である相撲協会を監督する機関。最近ではレスリング女子で五輪4連覇の伊調馨(33=ALSOK)が日本協会の栄和人強化本部長(57)からパワーハラスメントを受けていたとレスリング関係者が同委員会に告発状を提出したことで、注目を集めた。

 貴乃花親方は理事会に続き、年寄総会も不参加。すべては今回の告発の“予兆”だったということか。親方衆の間では「(貴乃花親方が)協会に居続ける限りは、この先もずっとトラブルを起こし続ける。もう『クビ』にしないとダメだ」「レスリングの騒ぎに“便乗”したのでは」などと猛反発が広がっている。

 問題の番組内で協会に対し今後も「戦います」と宣言していた貴乃花親方は、角界に居場所がなくなることを覚悟の上で背水の陣を敷いたのか。協会としても内閣府が告発を受理して調査に動きだすとなれば、大打撃を受ける。昨年秋から半年近くにわたって繰り広げられてきた貴乃花親方と協会のつばぜり合いは、春場所(11日初日、大阪府立体育会館)直前でついに「重大局面」を迎えた。

最終更新:3/11(日) 17:15
東スポWeb