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“プッシュした本は必ず売れる”カリスマ書店員おすすめの2冊

3/11(日) 11:03配信

TOKYO FM+

鈴木おさむがパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「よんぱち 48 hours ~WEEKEND MEISTER~」。3月9日(金)の生放送では、三省堂書店の書店員・新井見枝香さんが登場しました。新井さんは、プッシュした本は必ず売れると評判のカリスマ書店員。彼女が独自に選考する「新井賞」は、他の賞を凌ぐほどの売れ行きで話題になっています。そんな新井さんに3月発売のオススメ2冊を教えてもらいました。

鈴木:「2018年本屋大賞」が4月に発表されますけど、今回どうでしょう? 辻村深月さんの「かがみの孤城」が最有力候補と言われています。

新井:そうですね。

鈴木:でも僕は今村昌弘さんの「屍人荘の殺人」っていう本格ミステリーもすごく面白いと思う。「本屋大賞」って毎年話題になるけど、最近はメガヒットがないじゃないですか。もし「屍人荘の殺人」が取ったら“ドーン!”ってなりそうな気がする。

新井:そうですね。いい意味で「本屋大賞」っぽくないというか。

鈴木:僕のこの読みはどうでしょうか?

新井:大穴でしょうね(笑)。

鈴木:「本屋大賞」が大好きだから、そろそろ“ドーン!”って爆風が吹いてほしい。ピース又吉(直樹)の「火花」がすごく売れたことによって「本屋大賞」もちょっと変わりましたよね?

新井:私、又吉さんのことは小説界の救世主だと思っていて。“こんなに(本を)読んでもらえるんだ”っていうことと、芸人さんのことが好きな人以外にまで手が伸びたというのが本当にすごいなって。

鈴木:やっぱり本屋で働いている人にとっては「売れているな」って感じだった?

新井:どえらかったですよ(笑)。単行本を積んでも積んでも減っていくっていう。

鈴木:さて、新井さんに3月発売の本からオススメを2冊挙げてもらいます。まず、1冊目は?

新井:安藤祐介さんの小説で「本のエンドロール」です。

鈴木:素敵なタイトルですね。

新井:映画のエンドロールと違って、本の後ろに書いてあるのは著者の名前と発行人ぐらい。でも考えてみたらそんなわけがなくて、この紙は誰が選んで、誰がデザインをして、誰が印刷したのか……と、たった1冊の本を作るのにどれだけ多くの人が携わっているのかが分かる。この本自体は印刷会社の営業さんが主人公で、本を出すことにどれだけ奔走しているかという物語なんですけど、読むだけで今まで読んだ本のすべての価値が変わってくるんですよ。

鈴木:安藤祐介さんってどんな方なんですか?

新井:今までたくさん面白い本が出ているんです。「おい!山田」という小説は笑えるストーリーなのに最後に泣ける。私たち書店員は(安藤さんの書籍を)読んでいたから面白くて売りたかったけど、なかなかブレイクしなくて悔しさを抱いていました。

鈴木:続いて2冊目は?

新井:西加奈子さんの「おまじない」です。西さんは2015年に「サラバ!」で直木賞を受賞しましたけど、もともと長編を得意としている作家さんで。でもこの「おまじない」は8つの物語の短編集なんです。すべての物語に女の子が登場して、おじさんに「おまじない」のような言葉をもらって前に進んでいくという同じテーマなんだけど、主人公がみんな違う。

鈴木:西加奈子さんは名作が数多くあるなか、これをオススメしたいと思った理由は?

新井:(「おまじない」のなかの)「あねご」という物語が、まさに自分のことなのかと思うぐらいズキュンときて。

鈴木:2冊オススメしてくれた新井さんも初のエッセイ本「探してるものはそう遠くはないのかもしれない」を出していますが、スゴイですね!

新井:出しちゃいました(笑)。

鈴木:物の見方がすごく面白い。なぜ自分が本をすすめるようになったか、その入口などについても書いてあるんですけど、自分で書こうと思ったきっかけは?

新井:自分が読んで面白い本を書こうと思って、誰のためでもなく自分のために書きました。

鈴木:結構ガツンと踏み込んだことが書いてありますよね。

新井:今のところ上司からは怒られていないです。

鈴木:この本が売れれば売れるほど職場が気まずくなっちゃいそうですけど(笑)。(書店で)働いているからこその目線が面白い。今後も本は出していくんですか?

新井:需要があれば。エッセイがいいですね。

(TOKYO FMの番組「よんぱち」2018年3月9日放送より)

最終更新:3/11(日) 11:03
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