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老兵は死なず…シロアリの世界では違った。高齢であるほどリスクの高い仕事に

3/11(日) 12:33配信

ハフポスト日本版

シロアリの「兵隊」は、老いるほどリスクの高い仕事を引き受ける――。そんな実態がシロアリ社会にはあることを、松浦健二・京大院教授らが突き止め、英科学誌に掲載された。余命が短いものが死ぬリスクの高い仕事に就くことで、もっと長生きできたはずの「兵隊」が早く亡くなってしまう「機会損失」を減らし、巣の防衛力を効率的に保っているのでは、とみられている。(錦光山雅子/ハフポスト日本版ニュースエディター)

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アリやハチの仲間は、家族で作った大集団のなかで、おのおのが仕事を担う「社会性昆虫」と呼ばれている。この集団では、年齢で担当する仕事が変わることが知られている。これまでは年齢で仕事の能力が変わったり、機会損失を減らすことが理由として挙げられてきた。

それでは、年をとっても仕事の能力が変わらない場合はどうなるのか?そこで、ヤマトシロアリの集団を使って「兵隊」が守る場所に着目し、何歳のアリがどこを守っているかで年齢と仕事上のリスクを検証した。

シロアリは初夏になると、「働きアリ」の中から脱皮して「兵隊」になるアリが出てくる。「兵隊」になってからの余命は約5年とされる。シロアリの巣は、入り口から部屋への通路が細長くなっているため、外敵が侵入しようとすると、「兵隊」が巣の出口を自分の頭で栓のようにふさいで阻止する。

外敵と直接接触するこの仕事が「最前線」にあたり、亡くなるリスクが高い。逆に巣の奥で王や女王アリを守る「近衛兵」は、リスクが低い。

実験では、4月下旬にヤマトシロアリの巣を外から持ってきて、中にいた「兵隊」のシロアリを「老兵」とした。また、この巣にいた「働きアリ」を育て、その後新たに「兵隊」になったシロアリを「新兵」とした。その上で、シャーレの中に「実験巣」を作り、そこでどんな働きをするかを比べることにした。

実験巣に「老兵」「新兵」を1匹ずつ、また「働きアリ」5匹を入れた。その後、シロアリの天敵のオオハリアリを巣の外に置き、巣の中に侵入しようとしたとき、老兵と新兵のどちらが入り口で阻止するかを調べた。

すると、「老兵」が積極的に最前線に向かい、巣の出入り口に頭を突っ込んでふさぎ、外敵のアリの進入を阻止したことが分かった。

また、「新兵」しかいない巣では、「新兵」も「老兵」並みの防衛力を示した。これで「老兵が最前線で戦うのは、新兵の防衛能力が低いという理由ではない」と結論づけている。

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