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結婚どころか恋人もつくれない……一人っ子政策廃止でも産めない中国の20代

3/11(日) 17:10配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

中国政府は2015年10月末、高齢化や労働力不足の問題に対応するため、1979年から続けてきた一人っ子政策の撤廃を発表した。その2年前には一人っ子同士の夫婦に限って第2子が持てるよう政策が緩和されていたが、完全廃止のインパクトは大きく、粉ミルクメーカーなど育児関連企業の株価が軒並み上昇。不動産業者は子ども2人を想定した住宅を開発するようになった。

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あれから2年半、30代を中心に、2人目出産に踏み切る人が増える一方で、その一つ下の世代「90後」(1990年代生まれ)の出産意欲は高まらず、2017年の中国の出生数は前年比マイナスとなった。中国政府は2015年の政策転換時に、「“二人っ子政策”で出生数は2000万人を超す」と予測したが、実現は遠のきつつある。

2人目妊活に意欲的なアラフォー

一人っ子政策の撤廃が発表された2015年10月29日、中国・大連にある大学の日本語学科教員グループチャットは「ついに!」「産む?」と大騒ぎになった。

当時、中国人教員20人のうち16人が30~50代の女性。ほぼ全員が既婚者で子どももいた。30代半ば以上の中国人は、一人っ子政策導入前の兄弟姉妹がいる家庭で育っている人々が多いためか、一人っ子に対してどちらかと言えば「両親の世話が大変」「甘やかされ、わがままに育つ」「兄弟がいなくて寂しい」といったネガティブな感情を抱いている。一人っ子政策撤廃は、「産めるなら2人目を産みたい」と思っていたアラフォー女性たちの妊活魂に火をつけた。

小学生の息子がいる40歳の女性教員は、博士号を取得するため日本と中国を行ったり来たりの生活を送っていたが、「妊活のために学位を断念するか」と真剣に悩んだ。出産するにも、教授昇進を目指して学位を取るにもぎりぎりの年齢だ。当面はキャリア優先だが、今も2人目を諦められずにいる。

別の女性教員(30代後半)は、仕事の事情で夫を単身赴任させ、自身は子どもと2人で暮らしていたが、妊活のために、仕事を調整して頻繁に単身赴任している夫宅を訪れるようになった。

この職場はこれまで1~2年に1人が出産し、休暇を取っていたが、2017年は30代の2人が第2子を妊娠した。2016年2月に1人目の子どもを出産した張秀梅さん(35)は2人目の出産を来月に控えている。「2人目は自然にできた」そうだが、「職場の先輩女性たちに『産めるうちに産んだ方がいい』と繰り返し言われたことにも影響を受けているかもしれない」と話す。

一人っ子政策廃止後、あるメディアは「第2子出産の主力となるのは、経済基盤が安定し、出産限界年齢が近い1970年代生まれだろう」と分析していた。実際、2人目を産みたいと公言するのは、自分も兄弟姉妹の中で育ち、安定した職業に就いている女性が多い。

彼女たちの多くは1990年代以降の経済急成長の中でキャリアと資産を蓄積して結婚し、不動産価格上昇前に住宅を取得している。子どもの教育コストは高いが、2人産んでも「何とかなる」とポジティブだ。

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最終更新:3/11(日) 18:35
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