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日本最年少プロスケートボーダー、9歳少女が目指す東京五輪

3/11(日) 11:12配信

AFPBB News

(c)AFPBB News

【3月11日 AFP】スカイ・ブラウン(Sky Brown)さんは、誰もが思い浮かべる典型的な9歳児ではない。ワイルドで、そばかすがチャームポイントのこの日本人女子小学生は、華麗に技を決める動画がネットで話題となっている世界最年少のプロスケートボーダーだ。最近はさらなるスリルを求め、バスの屋根からジャンプする練習も始めた。

 スカイさんがスケートボードに初めて触ったのは歩けるようになるよりも前のことだ。最近では世界各地の大会に出場してはより大きな選手たちを負かしている。パワーの源はママが作るパンケーキだという。

 彼女は今、2020年の東京五輪に目標を定めている。東京大会では、サーフィンや空手、スポーツクライミングなどとともに、スケートボードが初めて五輪競技に採用された。

 宮崎県の自宅近くにある公園でAFPのインタビューに応じたスカイさんは東京五輪について、「これまで何度も考えた」と述べ、「12歳…とかその位になるのかな。(出場できれば)すごい。優勝できれば最高だけど、とにかく楽しみたい。いつも通りにね」と続けた。

 両親が作ってくれたというスケートランプの上に座ってインタビューに応じたスカイさんの傍らには、弟のオーシャンくん(6)もいた。

 日本人の母親と英国人の父親の元に生まれたスカイさんにとって、どちらの国の代表になりたいかはすでに決まっている──日本だ。「自分が生まれた国、そして友達がいて、自分の通う学校がある日本のために出場したい」と話す。

 インタビューが終わると、スカイさんは目にもとまらぬ速さでトリックを次々と決めた。その動きに合わせて、日に焼けて明るくなった長い髪も波打っていた。

 身長わずか123センチの小柄な少女は、「怖さが増せばスリルも増す。スケートボードが好きなのは、自由な気持ちになれるから」と話し、あまり怖さを感じないことを明かした。

 ブラウン家の勇敢な姉弟は、どこへ行くのも一緒だ。スケートやサーフィンはもちろん、寝る時でさえ同じベッドを使っている。自分たちを「親友」と呼ぶ2人はインスタグラム(Instagram)のアカウントも持っており、フォロワー数は9万2000人を超える。

■アドレナリン・ジャンキー

 数々の記録を塗り替えてきたこの少女は、7歳の時に初のスポンサー契約を結び、他の女子プレーヤーが成功させたことのないさまざまなトリックをすでにマスターしている。

 父親のスチュさんは、命知らずの娘をこのスポーツから遠ざけておこうと試みたこともあるという。3歳でスケートを始めたのだが、それまではボードに乗せたくなかったと語る。「女の子が生まれると親は優しく包んであげたくなるものだが、どれだけ引き離しても娘はスケートボードに戻っていった」と当時を振り返った。

 母親の美恵子さんも、スカイさんが面白半分に危険な技に挑戦するのを見るとヒヤヒヤすると話す。

 取材に応じる母親の目の前で、スカイさんはバスの屋根から勢いよく飛び降り、見事な着地を決めた。「初めて見た時は冷や汗が出た」と話す美恵子さんだが、「今は娘を信頼している。彼女ができると言うならそれを信じるだけ」と語った。

 しかし、スカイさんのさらに上を行くアドレナリン・ジャンキーは、肩まで伸ばした髪と黒いビーニー帽できめた弟のオーシャンくんだ。スチュさんいわく、娘は器用でエレガントだが、弟は無鉄砲で親の言うことには耳を貸さない性格なのだそうだ。

■固い決意

 プロサーファーでもあるスカイさんは、その年齢からは想像しがたいほどの決意を胸に秘めている。  

 スカイさんは、エクストリームスポーツの競技大会「Xゲームズ(X Games)」への今年中の出場を目指しているが、いくつかの競技会では彼女の参加にあまり前向きな様子が見られないのだという。どうやら、年長の参加者らとのバランスを考慮する必要があるというのがその理由のようだ。

 夕日を背にサーフィンを楽しむ子どもたちを見ながら、「娘を大会から永遠に遠ざけておくことはできない」と肩をすくめるスチュさん。そして、スケートボード協会が五輪出場資格に年齢制限を設けない決定を下していることを説明した。

 五輪への切符が決まれば、2017年に英国やスウェーデン、シンガポールで見せた印象的なパフォーマンスと相まって、彼女のすごさは自ずと証明されることになるだろう。

■「若いうちにオリンピックに出たい」

 スカイさんは最近、キューバやカンボジアの恵まれない子どもたちのために募金活動を行うなど、社会奉仕活動にも熱心に取り組んでいる。

 昨夏には、こうした国々での生活を実際に見てみたいとして各国を訪問し、ドキュメンタリー映像を撮影した。さらに、カンボジアの孤児や苦しい生活を送っている家族らへ募金活動を支援するため、スケートボードをモチーフに靴下もデザインした。「お金がなくて、靴も買えないたくさんの子どもたちに何か特別なものを贈りたかった」とスカイさんは話した。

 絶え間なく動き回るこの小さなスケートボーダーには、無駄に過ごす時間などない。

「若いうちにオリンピックに出たい。16歳とかになってからのオリンピックではなくて」と、10代半ばに到達することへの不安にかられてしかめっ面をしたスカイさん。「若いうちに、やればできると全ての女の子に示したい。小さくたって構わないから、とりあえずやってみようってね」

(c)AFPBB News

最終更新:3/11(日) 11:12
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