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「人が集まる広告」と「見向きもされない広告」の違い。ECの求人広告を考察して分かったこと

3/12(月) 7:01配信

ネットショップ担当者フォーラム

EC企業が売り上げを伸ばすには、人材の確保が急務。採用戦略が整っていない企業の成長は難しいと言える。こうした背景を踏まえ、求人サイトに出稿されているEC企業の求人広告を見てみた。その上で、実践的な採用戦略について考察してみた。

 

中小ECは人手不足で四苦八苦

どの業種・業態も人手不足と言われるが、EC業界の労働力不足は特に深刻だ。そもそも、「ネット」と「小売り」両方の知識が求められるため、人材そのものが世の中に乏しい。クリエイティブな作業も多いため、1日の労働時間が長い。

一方で、結局は小売りのため“薄利多売”。「営業利益率2ケタ台は当たり前」というIT企業とは異なり、利益率が1ケタ台後半だったら“優良企業”(以下の表を参照。主にEC事業のみを展開している企業を参考にしてみた。北の達人は粗利率の高い美容・健康商材のため高い営業利益率をキープ。仕入れ商材を扱っている他の企業は5%以下の営業利益率)。そのため、いくら優秀な人材でも高給取りにはなりにくい。だから人材の流出も激しい。


表 EC企業の利益率の例(IR資料をもとに編集部で作成)

|営業利益
(百万円) |売上高
(百万円) |営業利益率
北の達人コーポレーション(平成29年2月期) |542 |2,696 |20.1%
サンワカンパニー(平成29年9月期) |190 |8,737 |2.2%
白鳩(平成29年8月期) |202 |5,083 |4.0%
ストリーム(平成29年1月期) |187 |22,025 |0.8%
デファクトスタンダード(平成29年9月期) |439 |10,514 |4.2%



加えて、最近では大手EC企業が良い条件で働き手を確保しているため、中小のEC企業は慢性的な人手不足で四苦八苦している状態が続く。では、どうすれば良い人材を採ることができるのか?

 

EC企業の求人広告、ここがダメ!

□ (1)同業他社より労働条件が悪い

求人サイトを閲覧してまず目についたのが「他社の求人広告をチェックしていないんだろうな」と思える広告が多い点である。他のネットショップの求人広告と比べて極端に低い年収を提示していたり、厳しい労働条件を出していたり、明らかに他社と比較された際に負けてしまう条件で求人広告を出稿している企業が多い。

他社と比較せずに求人広告を出稿してしまうと、求職者が求人情報を閲覧した際、簡単に転職候補から外されてしまう。

年収を低く抑えるのであれば未経験者を条件にしたり、労働条件で劣るのであれば勤務地や福利厚生で差を付けつけたりして、常に「他の企業と条件を比べられている」という意識で、求職者の立場に立った求人広告を制作していかなければいけない。

□ (2)応募条件を欲張り過ぎる

 また、ネットショップにはベンチャー企業が多いせいか、欲張りな条件を提示する企業が多いところも気になった。

┌──────────
一眼レフで写真撮影ができてPhotoshopが使えて、英語が堪能な方
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┌──────────
リスティング広告と動画制作の両方の経験がある方歓迎!
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など、「そんな条件、誰も満たさないよ……」という求人広告も少なくない。

あれもこれもやってもらいたい気持ちはわかるが、このような場合は条件を「Webデザイナー」だけにして募集をかけ、本人の人柄や興味、能力を見ながら広告運用やマーケティングもやらせていく方向で調整した方が良いだろう。レクチャーするスタッフがしっかりしていれば、SEOやリスティング広告のスキルは1年~3年ぐらいで身に付くはずだ。

 

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