ここから本文です

米朝関係雪解けムードの中、日本は蚊帳の外

3/12(月) 16:52配信

The Telegraph

【記者:Julian Ryall】
 米朝首脳が直接対話に合意したことで外交面では進歩がみられた一方、北朝鮮の手のひらで同盟諸国が踊らされているとの疑念を払拭(ふっしょく)することができずにいる日本政府。懸案事項である拉致問題が脇に追いやられることに対しても不安を募らせている。

 北朝鮮と韓国は2007年以来、11年ぶりに南北首脳会談を行う考えを表明しているが、安倍首相は8日の参院予算委員会で、国際社会が北朝鮮への経済制裁を維持する必要性を強調し、「(北朝鮮が)対話に応じたからといって制裁を緩めることがあってはならない」「非核化に向けた具体的な行動が必要だ。圧力を最大限まで高める」とくぎを刺した。

 安倍首相は、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領が北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長との首脳会談を受け入れたとする発表があった後の9日午前には「北朝鮮の変化を評価する」と発言。しかし、米朝会談の前に安倍首相が訪米し、日本の懸案事項を詳細に伝えるためにトランプ大統領と協議する段取りを進めたことからは、日本政府がこの問題への懸念を払拭できずにいる様子も見て取れる。

 国際基督教大学(ICU)で国際関係論を教えているスティーブン・ナギ(Stephen Nagy)准教授は、日本は長年、北朝鮮と神経質な関係を続けてきたが、米政府はその事実を看過している可能性があると指摘する。

 テレグラフの取材に応じたナギ氏は、「日本の安全保障問題は明らかに大きな問題だ。日本全国に米軍の施設があり、北朝鮮が関わるどのような紛争でも日本はいろいろな意味で前線に立たされる」と主張した。

 さらに、「一方で、日本国内には北朝鮮の核施設に対する懸念もある。北朝鮮の核施設は管理がずさんなため、いかなる問題が起きても日本への影響は不可避だろう」「だが日本の北朝鮮に対する見方には拉致問題も反映されている。多数の一般市民が拉致された問題について日本政府は一貫して進展を求めてきたが、米政府はそのことを考慮に入れていない」とも述べた。

1/2ページ

最終更新:3/13(火) 8:11
The Telegraph