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「ロンドン五輪のメダル、半分は不正」ロシアの国家ぐるみドーピングの衝撃的な実態

3/12(月) 18:22配信

BuzzFeed Japan

「どうして『ロシア』じゃなくて『OAR』なんだろう?」平昌五輪でフィギュアスケートや女子カーリングを観ていて、気になった人はいるだろうか。【BuzzFeed Japan / 山崎春奈】

【写真】関係者以外立ち入り禁止! オリンピック選手が見た選手村の中の景色

OARは「ロシアからのオリンピック選手(Olympic Athletes from Russia)」の略。

名前の通り、平昌五輪でロシアは国としての選手団はなく、あくまで選手個人の集まりという扱いだった。私たちがテレビの前でロシアの国旗や国歌斉唱を目にする機会はなかったはずだ。

なぜこんなことになったのか? それは、ロシアが国家ぐるみで大規模なドーピングをおこなってきた疑惑があるからだ。
世界一注目される大会で、国をあげて世界を欺く。そんなことが本当に可能なのか? どうやって?

第90回アカデミー賞で長編ドキュメンタリー賞を受賞した「イカロス」は、意図せずそんな国家規模スキャンダルの深淵に近づくことになった、一人の米国人男性によって撮られている。

「ロシア人選手の99%がドーピングを経験」「これが真実なら想像を絶する犯罪行為です」――まるで映画のような世界がそこにはある。

ドーピングのことはアンチ・ドーピングの専門家に聞け

監督は、アマチュア自転車選手でもあるブライアン・フォーゲル。

スポーツ界におけるドーピングを調査するため、自ら薬物を試し「ドーピングは可能か?」を検証しようとした。

実際にどれだけ選手の肉体と記録に影響を与えるのか、そして、「薬物NO」を掲げておこなわれている事前検査をパスすることはできるのか――という実験だ。

そのためには、ただ闇雲に筋肉増強剤を飲むだけではダメだ。最終的にバレてしまっては意味がない。“プロ”のアドバイスを受けなければ。

ドーピングの専門家は、裏返せばアンチ・ドーピングの専門家でもある。

紆余曲折を経て、ロシア随一のドーピング検査機関の所長、グレゴリー・ロドチェンコフの指導のもと「ドーピング生活」に励むことになる。

物語の前半は、本来はひた隠しにされるはずのドーピングに堂々と取り組む様子がアンバランスで面白い。日々きちんとデータを測定して、針の跡が残らないよう場所を変えて注射を打って……こんなに繊細で大変なのか!

こういう企画だとはいえ、アスリートの薬物を摘発する立場のロドチェンコフが「大丈夫だ、バレないよ」なんて平然と言ってのけるのもあまりにシュールだ。

2人の海を越えるやりとりはビデオチャット。ロドチェンコフはたいてい半裸で(なぜ!)お酒を飲んでいることも少なくない。

時折ジョークを交えながら話す姿は「陽気なロシア人のおじさん」そのものだ。楽しげに話しているのは、ドーピングの方法だけど。

時にロサンゼルスとモスクワを行き来しながら、フォーゲルとロドチェンコフは友情と言っていい関係を育んでいく。2人の不思議にあたたかい日々はある出来事で一気に色を変える。

「ロシアが国家ぐるみでドーピングに関与か」。

2014年12月、ドイツのテレビ局によって報じられた世界のスポーツ界を揺るがす大スキャンダル。国家的なドーピング推進プロジェクトの中心人物として名前があがったのがロドチェンコフだった。

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最終更新:3/12(月) 18:50
BuzzFeed Japan