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“謎を解くカギ”はどこに? 『修道士は沈黙する』冒頭映像がノーカットで公開

3/12(月) 12:04配信

ぴあ映画生活

『そして、デブノーの森へ』『ローマに消えた男』のロベルト・アンドー監督の最新作『修道士は沈黙する』が17日(土)から公開になる前に冒頭の5分30秒がノーカットで公開になった。本作はタイトルの通り、修道士を主人公にしたミステリー作品で、物語が進んでいくごとに謎が深まり、観客の座っている場所すら揺らいでくるような刺激的なドラマが描かれる。

『修道士は沈黙する』本編映像

このほど公開になった映像にまず登場するのは、とある空港に降り立った修道士だ。彼は空港の売店でなぜか音声を記録できるICレコーダーを買い求め、車寄せで不思議なトリックを披露する男を少しだけ眺めた後、迎えの車に乗り込む。彼を乗せた高級車は美しい緑に囲まれた道を走り、手入れされた高級な住宅をすりぬけ、やがて海に面したリゾートホテルにたどり着く。

同じ頃、ホテルの部屋ではひとりの男がある数式を書き出している。作業を止めた彼が窓の外に目をやると、庭園では各国の財務大臣が集まっており、記念撮影が始まろうとしているようだ。ここではG8の財務相会議の会場で、数式を書いていた男は国際通貨基金の専務理事、車で運ばれてきた修道士は会議の“ゲスト”だ。

本編映像はここで終わっているが、この後に“事件”が起こる。出席者たちの夕食会が開催された後、夜も更けてから修道士は先ほどの専務理事ダニエル・ロシェに呼び出され、彼の部屋で“あること”を打ち明けられる。聖職者に告白して許しを得ようとする行為を“告解(こくかい)”と呼ぶが、ロシェは修道士に告解を申し出たようだ。そして夜が明け、会合の出席者はロシェが死んでいるのを発見する。自殺か? 他殺か? 人々は夜中にロシェといた修道士を問い詰めるが、告解で耳したことは誰にも打ち明けないのが戒律だ。修道士は沈黙を続ける。

ホテルは閉鎖され、出席者たちは犯人探しを始めるが、事件は解決する様子はなく、時間がたつごとに新たな謎が積みあがり、自身の利益を最優先に考える出席者たちの駆け引きやエゴのぶつかり合いは激化していく。ダニエル・ロシェ理事はなぜ死んだのか? 修道士は彼から何を聞いたのか? 観る者の想像力を刺激する展開だが、このほど公開された冒頭5分30秒の映像の中にすでに“解決の糸口”が埋め込まれているようだ。

ちなみにロベルト・アンドー監督は冒頭に登場したトリックを披露する男について「数式は幻想という意味で経済のシンボルだが、映画の中でロシェは修道士にこの数式は何の意味もないと説明している。彼のやっていることは実際にはトリックがあるが見えない、そういう意味で数式は空っぽの抜け殻みたいなことだが、トリックのシンボルだと思う。冒頭の道化師も実際にはトリックがあるが、それがどうなっているのかは見えないように」とコメント。私たちの社会を説明し、理解し、分析していると思われているいくつかの“数式=仕組み”が、実は中味が空っぽのトリックだとしたら?

本作は密室ミステリーでありながら、同時に私たちが暮らす社会の仕組みや、その奥底に潜む欲望が次第に明らかになっていくドラマも描かれるようで、最後の最後まで気が抜けない作品になりそうだ。

『修道士は沈黙する』
3月17日(土)より Bunkamura ル・シネマほか全国順次ロードショー

最終更新:3/12(月) 12:04
ぴあ映画生活