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GLIM SPANKY「攻めている姿勢を見せたい」2018年にかける想い:インタビュー

3/12(月) 11:39配信

MusicVoice

 松尾レミ(Vo&Gt)と亀本寛貴(Gt)によるロックユニット・GLIM SPANKY(グリムスパンキー)。オーセンティックなロックを追求する今の日本の音楽シーンでは稀有な存在感を放つ。業界からの支持も熱く、プロが選ぶ注目アーティストに選ばれることも多々あるほどだ。そのGLIM SPANKYが1月31日に、通算3枚目となるシングル「愚か者たち」をリリースした。2月1日公開の映画『不能犯』の主題歌で、歌詞は二面性をテーマに、GLIM SPANKYのハードな部分が強く打ちでた作品となった。今作は隙間を意識したアレンジで引き算をしたと話す2人。その2人のこだわりが詰まった楽曲の制作背景や、5月12日におこなわれる自身初となる日本武道館公演への意気込みなど話を聞いた。【取材=村上順一/撮影=片山拓】

【写真・動画】ミュージックビデオと撮りおろしカット

私達が求めるロックサウンドはフットモニター

――昨年から続いたツアー『BIZARRE CARNIVAL Tour 2017-2018』はどうでしたか。

亀本寛貴 まず、とにかく楽しかったです。曲もセットリストもアルバム『BIZARRE CARNIVAL』を中心でやっていたので、いつもライブでやる定番の曲なんかもちょっと省いたりして。なので、挑戦的なセットリストでした。お客さんも僕らが新しく出したアルバムを消化してくれている印象があったから安心しましたけど。

松尾レミ 本当に「楽しい」という感情しかなかったくらいで。

――楽しかったみたいで何よりです。実際にアルバム曲をライブで演奏してみて、印象が変わった曲はありましたか。

松尾レミ アルバムの「THE WALL」「BIZARRE CARNIVAL」「The Trip」と3曲目まで音源の通りにやったんですけど、そこが私は凄く好きなポイントだったんです。どんな感じに捉えてくれるのかなと思ったんですけど、そこで会場が一つになって盛り上がったのが嬉しかったです。

亀本寛貴 曲が終わった後の拍手も、何となく拍手をしているというよりも、お客さんが本当に「この曲良かったよ」と表現してくれているような熱量に感じました。

松尾レミ そういう感じに、お客さんとバンドで意思疎通ができたので、その3曲が特に気持ち良かったです。ワンマンはやっぱり景色が全然違いますね。

亀本寛貴 やっぱり自分達のファンがあれだけ集まると、雰囲気も違います。音作りもモニター音をしっかり整えてやれますし。

――イベントだとモニターを追い込むのは、時間的に厳しいですよね。お2人はイヤモニ(イヤーモニター)派?

亀本寛貴 僕らはイヤモニを付けないです。松尾さんは特にその辺こだわっているよね。

松尾レミ 個人的にイヤモニは閉鎖的な感じがしてしまって。

亀本寛貴 単純に、音的に考えたときにイヤモニの方がクリアなんでしょうけど、ライブのテイクをどうしたいかというのが全てだと僕は思っています。例えば、僕らが好きなミュージシャンって、ライブのテイクが完璧にやれているかと言われれば、そういう感じではないんです。

 ジャック・ホワイト(米ミュージシャン)とかもフットモニターで、そんなにタイトではないというか、感覚でやっているような、ちょっとくらいずれても気にしないでやっている感じがします。それはこの間リアム・ギャラガー(英ミュージシャン)を観たときも思いましたし、カサビアン(英ロックバンド)を観ても、ちょっとくらいずれていても、あまり気にしてないんですよ。

――日本だと、きっちり揃えたいという感じはあるようですね。

亀本寛貴 音楽性にもよりますけど、ガレージバンドっぽい感じや勢いも欲しいから、それは好きなバンドに多いので、僕らはフットモニターでやった方がいいかなと。イヤモニで聴くことによってタイトにやれていてというのは、精神的にも安定できるじゃないですか? そういう風に安定するよりも、「ちょっとずれてても気にしない」という精神力をつける方がカッコいいロックミュージシャンになれるだろうと思って、僕はそれでやっています。

――GLIM SPANKYの音楽性だとタイトより、良い意味でルーズな方がカッコいいですよね。

松尾レミ そうなんです! ジャンルにもよりますけど、私達が求めるロックサウンドはフットモニターでやっているようなサウンドかなって。

――そのライブでも披露された「愚か者たち」がリリースされます。この楽曲は『不能犯』の主題歌ですが、作品を観られてから制作を?

松尾レミ はい。原作も映画も観た上で制作をスタートしました。

――過去作でもご一緒だったいしわたり淳治さんや亀田誠治さんが参加されていますね。

亀本寛貴 最初から決まっていた訳ではないんですけど、曲が出来てから「これは亀田さんと淳治さんでやろう」と自然な流れでした。

松尾レミ 基本的には最初は自分達で作るので、それで必要だったらお願いするし、そのまま自分たちだけのときもあります。今回のように映画の場合は、映画サイドの意見もあるし、バンドがやりたい意見もあるし、その折り合いをつけるのは時間がかかるんですけど、淳治さんや亀田さんがいることによって、ちゃんと私達がやりたいことも理解してくれて。

 さらに映画側のことも理解して、スムーズに受け答えしてくれるのがプロデューサーなので、そういう面で、やりたいことを好き勝手にやらせて頂くためにプロデューサーをお願いするということもあります。

――バランサーですね。「愚か者たち」のプロトタイプはどんな感じでしたか。

亀本寛貴 今のものと大きくは変わってはいないです。でも、大元はもうちょっとジメっとした(英バンドの)Oasisぽい感じをイメージしていたんですけど、もうちょっとバキッとしていた方がいいという感じだったので、どんどんバキッとしていった感じです。

――制作は歌詞と曲ではどちらが先?

松尾レミ 同時ですね。コード進行は共有しておいて、亀(本)はサウンドを作っていって、私は歌詞とメロディを作っていくんですけど、一緒に作ります。高校生の頃から同じ制作方法です。

――今後はもしかしたら、新しい作り方にもチャレンジする可能性はありますか。

松尾レミ 「こうやらなければいけない」という風にはあまり思わないので、歌詞が1曲カッチリと出来たら、そこにメロディを付けていくかもしれないし。今自分が一番しっくりくるのは、メロディと歌詞を一緒にという作り方なんです。

――今回は映画『不能犯』があっての歌詞の制作ですが、作品を観てどこに最もインスピレーションを受けましたか。

松尾レミ 監督が、『不能犯』は人の二面性を描いているというか、表ではいい顔をしていても裏ではこういうことを考えていたりとか。自分が選択する道によって、天国へ行く道か地獄へ行く道か変わるという、色んな物事の2つの顔をうまく表現している作品だったので、そこを細かく説明してくれました。

 二面性というものを何か違う形で書けるような曲だったり、サウンドもヒリヒリと訴えかけるようなものにしようという思いが込もっています。そういうはっきりしたテーマと、作品のジメっとしたダークな感じがあったので、そのイメージは最初からみんなで握り合って作り始めました。

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最終更新:3/12(月) 11:39
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