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次世代「スカイアクティブ」で変わるマツダの購買

3/12(月) 11:50配信

ニュースイッチ

藤川常務に聞く「5軸で一気通貫のモノづくりを進めている」

 マツダは「スカイアクティブ」技術を搭載した現行商品群に次ぐ次世代商品を2018年度中に市場投入する。複数の車種を一括で企画し、部品の構造などに共通性を持たせる独自の設計手法も、さらに進化するようだ。購買部門の取り組みはどう変わるのか。グローバル購買担当の藤川和久常務執行役員に聞いた。

 ―次世代商品群で購買部門のあり方はどう変わるのですか。
 「一括企画やコモンアーキテクチャーといった現行商品群の長所は、開発と生産の両部門が深く連携し実現した。この5年間はそこに購買部門が加わって、グローバルベースで調達方針を描いて実行してきた。そうした取り組みが、次世代商品群で完成形を迎える」

 ―具体的には。
 「これまでの開発、生産、購買の各部門に品質保証と物流の2部門が加わり、5軸で一気通貫のモノづくりを進めている。日本とタイ、メキシコの各拠点で最適な構造のものを、同じ作り方、品質保証の仕方、同じサプライヤー、同じ荷姿でそろえていく。これを『シングルエンジニアリング』と呼んでいる」

 「現行商品群では製品化途中の14年にメキシコ工場が稼働したため、開発や品質保証などをメキシコだけ別に行い、非効率だった。部品ごとにどこで調達するのが最適かなど、サプライヤーの意見も反映してベストな部品供給網を構築したい」

 ―車づくりはどう変わりますか。
 「生産車種が変わっても、治具を変えるだけで簡単に段取り変えできる。これを日本とタイ、メキシコのいずれの工場でもできるようにし、社外の部品工場にも広げていく。五つの部門が一体にならないと実現できない。マツダが目指す理想的なモノづくりの姿であり、次世代商品群のどこかで完成形に達するよう準備している」

 ―需要に応じた柔軟な車づくりですね。
 「マツダの小さい生産規模は、購買面では弱みかもしれないが、そこを強みに変えたい。地場サプライヤーとの距離も近いため、何かあれば五つの部門にサプライヤーも加わり、瞬時に集まって話し合い即断即決できるのはこの規模ならでは。購買のあり方も“五味一体”の新しい姿になっていくだろう」

 ―トヨタ自動車と共同で建設する米アラバマ州での調達方針は。
 「現段階で申し上げられる内容はない。これまで競合だった会社同士が提携したわけで、特に購買部門は世界各国で独禁法上のしばりが大きく、お互いのコストの中身など知らせあうことはできない。法務部門で確認しながら正しいプロセスのもとで協業を進める」

<記者の目>
 マツダの工場の特徴が「計画順序生産」。注文を受けた順番に、1台単位で違う仕様の車をラインに流すというもの。次世代車ではこれが、世界中どの工場でもどんな車種でも流せる、さらに柔軟な姿を目指しているようだ。藤川さんは購買担当だが、振り返ると話の中身はほとんどがモノづくり。それだけ大きな挑戦なのだろう。
(日刊工業新聞広島総局・清水信彦)

最終更新:3/12(月) 11:50
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