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<朝霞少女誘拐>被告に懲役9年、完全責任能力を認定 被告、勝手な発言なく落ち着いて聞く/さいたま地裁

3/12(月) 22:41配信

埼玉新聞

 2016年3月に埼玉県朝霞市の少女(17)が約2年ぶりに保護された誘拐事件で、未成年者誘拐と監禁致傷、窃盗の罪に問われた寺内樺風被告(25)の判決公判が12日、さいたま地裁で開かれた。松原里美裁判長は「誘拐の態様は卑劣で悪質」とした一方、「監禁の物理的拘束は緩やか。求刑は重すぎる」として懲役9年(求刑懲役15年)を言い渡した。

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 判決理由で松原裁判長は、「監禁は2年余りと同種事案の中でも顕著に長い」と指摘。「被害者は心身ともに人間が成長する貴重な期間を奪われ、想像を絶する大きな打撃を受けた。家族や友人と大切な思春期を過ごす機会を永遠に失った」と非難した。

 その上で、監禁中に「暴力、暴言は認められない」と認定。監禁が長期にわたった理由の一つとして、被害者が誘拐の約1カ月後、2度にわたり一時脱出したが、近くにいた人に取り合ってもらえず、「絶望して被告方に戻り、大きな社会不信を抱いた。被告の関与しない事情があることも無視できない」と述べた。

 弁護人が主張していた限定責任能力については、偽造ナンバープレートを準備するなど犯行の発覚を免れる工作をしていたことから「違法性を認識していたことは明らか」と完全責任能力を認定した。

 寺内被告は昨年8月29日の判決公判で、不規則発言を繰り返し、松原裁判長は判決言い渡しを延期した。この日は勝手に発言することなく、最後まで落ち着いて聞いた。

 判決によると、寺内被告は14年3月10日、朝霞市で当時中学1年の少女に対し、「両親が離婚する」などとうそを言い、車に乗せて誘拐。16年3月27日まで千葉市や東京都中野区の自宅マンション一室で監禁し、全治不明の心的外傷後ストレス障害(PTSD)を負わせるなどした。

 さいたま地検の古谷伸彦次席検事は「意外な判決であり、その内容を精査して適切に対処したい」とコメントした。

最終更新:3/12(月) 23:15
埼玉新聞