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<朝霞少女誘拐>被告に懲役9年、反省の様子なく…被害少女の親が無念「到底9年で更生できると思えない」

3/12(月) 23:03配信

埼玉新聞

 2016年3月に埼玉県朝霞市の少女(17)が約2年ぶりに保護された誘拐事件で、未成年者誘拐と監禁致傷、窃盗の罪に問われた寺内樺風被告(25)の判決公判が12日、さいたま地裁で開かれた。松原里美裁判長は「誘拐の態様は卑劣で悪質」とした一方、「監禁の物理的拘束は緩やか。求刑は重すぎる」として懲役9年(求刑懲役15年)を言い渡した。

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 判決理由で松原裁判長は、「監禁は2年余りと同種事案の中でも顕著に長い」と指摘。「被害者は心身ともに人間が成長する貴重な期間を奪われ、想像を絶する大きな打撃を受けた。家族や友人と大切な思春期を過ごす機会を永遠に失った」と非難した。

 判決理由を静かに聞き、最後に「分かりました」と答えた寺内樺風被告(25)。少女の両親は「もっと厳しい判決を出してほしかった」と無念さをにじませた。

 「法廷での言動を見ると、まったく反省する様子もなく、犯した罪に向き合うこともないようで、到底9年で反省や更生できるとは思えない。もっと厳しい判決を出してほしかった」。判決後、代理人の弁護士を通じてコメントを発表した両親。無事の帰宅を信じて待ち続けた両親が法廷で訴えていたのは、大切な時間を奪った寺内樺風被告への怒りと娘への思いだった。

 少女の行方が分からなくなったのは2014年3月。以降、両親は街頭に立つなどし、情報提供を呼び掛け続けた。15年の少女の誕生日には、朝霞市内で情報提供を呼び掛けるチラシを配布。「誕生日を祝ってあげたい」と再会を待ちわびていた。

 約2年後の16年3月。少女は都内の公衆電話から助けを求める電話をし、保護された。「本当にすごくほっとしています」。安堵(あんど)した父親。「娘との2年間の空白の時間を取り戻すべく、ゆっくりと時間をかけて娘との時間を過ごしていきたい」。そうコメントしていた。

 公判での母親の証言などによると、少女は心的外傷後ストレス(PTSD)により、一人で寝たり外出することができなくなったという。「娘の大事な2年間は、あなたと過ごすためのものではない」。法廷で寺内被告を非難した母親。「被告には一生、刑務所から出てほしくない」と厳しい処罰感情を述べた。この日の判決後も、少女の両親は「許すことのできない気持ちは今も変わりません」と心情を明らかにした。

 一方で、少女は社会復帰に向け、勉強に励むなどしているという。「娘の将来が不安。私は命を懸けてでも、娘を守りたい」。これまでの法廷でそう語っていた母親。不安の中にも、明るい未来があると信じ、両親と少女は歩んでいく。

最終更新:3/12(月) 23:11
埼玉新聞