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船橋裕一郎「何を以て鼓童なのかが見える舞台に」

3/13(火) 11:22配信

チケットぴあ

1981年にベルリン芸術祭でデビューして以来、世界中で6,000を超える公演を行ってきた太鼓芸能集団「鼓童」。今年2月のエジプト公演で世界50か国公演を達成したほか、石川さゆりやAI、初音ミクらアーティストとのコラボや、坂東玉三郎が芸術監督を務める(2012~2016年)など、幅広く注目を集め続けている集団だ。

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6月に開幕する『鼓童特別公演 2018「道」日本ツアー』について、鼓童代表で本公演の演出を務める船橋裕一郎に話を聞いた。

「道」は、鼓童の前身・佐渡の國鬼太鼓座時代(1971~81)から継承されてきた、鼓童にとって“古典”ともいえる演目で構成された公演。船橋は「秋冬には新作『巡』もやりますが、そこで表現される新しさと、この古典ともいえる『道』。その両輪が自分たちのこれからの軸になると思います」と語る。

「今回の『道』が、『何を以て鼓童なのか』も見えてくるような舞台になるといいなと思っています」という重要な意味を持つ公演。なぜ今のタイミングでそこに取り組んだのか尋ねると、今回の出演メンバーにヒントがあった。今作では、鼓童の根幹を作り上げてきたベテラン、それを継承し発展させてきた中堅、これからの鼓童を担う若手の3世代でツアーを回る。「以前、『村や共同体は、4世代目からがその真価を問われる』と言われたことがあって。鼓童は今、最初の世代を直接知らないメンバー、つまりその4世代目がだんだん入ってきているんです。だからこそ60代となった第1世代が引退する前に一緒にやりたかった。その中で、先輩から後輩に伝えてもらいたいし、後輩から先輩にどんどん聞いてもらいたい。ツアーを一緒に回ることで得るものもたくさんあると思いますし。鼓童は続けることに価値が出てきていると思うので、今この舞台を通して、次の第4世代に残せるものをつくっていきたいなと考えています」。

もちろんただ受け継ぐためだけの舞台ではない。「ここ何年か玉三郎さんに斬新で自由な舞台をつくっていただいて、さまざまなものを取り入れた今、脈々と続いてきたものをやるとどういった表現になるのかを感じたい」と言い、「3世代が揃うことで今の解釈での『道』を作る」と各世代がアイデアを出し合いながら稽古中だ。

船橋自身が楽しみにしているのは何かと聞いてみると「自分が思う“鼓童のかっこよさ”を体現できる舞台なんです。『血湧き、肉躍る』という言葉がチラシにありますが、これは自分が初めて太鼓を聞いたときの感情で。そういう、一歩踏み出すパワーを肌で感じられる舞台になると思います」と笑顔を見せた。

公演は6月20日(水)から24日(日)まで東京・浅草公会堂で上演されたのち、8月まで全国を巡演。

取材・文:中川實穂

最終更新:3/13(火) 11:24
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