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生産ラインでコスト競争力を生む LittelfuseのSiC

3/13(火) 19:35配信

EE Times Japan

●パワー半導体を強化

 1927年に設立され、保護用高速ヒューズを発明した米Littelfuseは近年、パワー半導体事業にも注力している。同社の日本法人Littelfuseジャパンは2018年3月6日、東京都港区の本社で記者説明会を開催。オートモーティブ・エレクトロニクス担当マーケティングディレクターを務めるCarlos Castro氏が、自動車向けを含めた、同社のパワー半導体事業の戦略などを語った。

Littefuseの自動車向け事業の歴史 出典:Littelfuseジャパン(クリックで拡大)

 Littelfuseは、パワー半導体事業で、工業用駆動装置、ソーラー、自動車、データ通信という4つを重点分野に定める。これらの分野に向けて、イグニションIGBT、SBD(ショットキーバリアダイオード)、サイリスタを提供している。Castro氏は「当社は以前からパワー半導体を扱ってきた。特に産業用とソーラー用のサイリスタでは業界でもトップの地位を築いている」と述べる。

 パワー半導体事業の強化の一環として、2015年には、SiCパワー半導体の開発を手掛けるMonolith Semiconductor(以下、Monolith)への投資をきっかけに、SiCパワー半導体市場に参入した。2017年には、Littelfuse初となるSiC製品として、耐圧1200VのSiC-MOSFETと同1200VのSiC-SBDの量産を開始した。なお、投資額は「非公開」(Castro氏)としたが、現在、Monolithの株式の過半数を所有している。

 SiCパワー半導体の今後のロードマップとしては、2018年には耐圧900V、1700VのSiC-MOSFETや、耐圧650V、1700VのSiC-SBDの量産を開始する予定となっている。さらに2019年には、SiC-MOSFETとSiC-SBDを搭載したフルSiCモジュールを投入する予定だ。

●生産ラインでコスト競争力を生む

 ただ、SiCパワー半導体市場ではLittelfuseは後発であり、既に強力な競合が存在する。競合他社に対する強みの1つとしてCastro氏は、MonolithのSiCパワー半導体生産ラインを挙げた。「他社ではSiCパワーデバイス製造向けの専用ラインを構築しているが、Monolithが製造をアウトソースしている工場では、基本的にCMOSの製造ライン(6インチウエハー)を使い、少しだけプロセスを変更して製造している。場合によっては、今週はCMOSデバイスを製造し、来週はSiCパワーデバイスを製造する、といったことも可能だ。こうしたフレキシブルなプロセスにより、生産ラインの稼働率を向上することで、コスト競争率の点で強さを生んでいる」(Castro氏)

 なお、Castro氏によれば、Littelfuseは現時点ではSiCに集中し、GaNパワー半導体を開発する予定はないという。「ただ、GaNデバイスを採用した回路向けの保護素子の製品展開には力を入れていく」(同氏)

●IXYS買収で製品ラインアップを拡充

 さらに、2018年1月には、産業、通信、医療など向けの中電圧、高電圧パワー半導体を手掛ける米IXYS(アイクシス)の買収を完了したと発表した。IXYSの2017年の売上高は3億2200万米ドルで、そのうち68%をパワー半導体の売り上げが占めている。Castro氏は「Littelfuse、Monolith、IXYSの3社は、パワー半導体の分野で重複があまりない。一連の投資や買収により、LittelfuseのイグニションIGBTやSBD、MonolithのSiCパワーデバイス、IXYSの中電圧および高電圧MOSFETという製品ラインアップがそろうことになった」と強調した。

 前述の通り、パワー半導体事業のターゲット分野の1つが自動車だが、Littelfuseの自動車向け製品における歴史は長い。1930年に自動車用ヒューズを発表して以来、ヒューズを中心に新製品を発表し続け、買収によって自動車要センサープラットフォームやTVS(過渡電圧サプレッサ)ダイオードを市場に投入してきた。現時点で、自動車向け製品(ヒューズ、センサーなど)の売上高は、全体の39%を占めている。

 Castro氏は、特に電気自動車(EV)向け製品について「短期的に見れば、最も伸びが期待できるのは高電圧、高耐圧のヒューズだろう。長期的には、SiCパワーデバイスや高電圧MOSFETといったパワー半導体の売り上げがかなり大きくなるとみている」と述べた。日本の自動車市場については、「過電流保護用ポリスイッチなどで、しっかりした顧客基盤を築いている。それをベースに、TVSダイオードやパワー半導体を売り込んで、事業を拡大していきたい」と語った。

最終更新:3/13(火) 19:35
EE Times Japan