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花粉症対策杉 苗が急増 16年度生産量の25%に

3/13(火) 13:37配信

日本農業新聞

 花粉量がゼロか微量の「花粉症対策杉(対策杉)」の苗木の生産量が近年、急増していることが12日までに分かった。林野庁によると、2016年度の生産量は、前年度比25%増の533万本に達し、同年度の杉苗木に占める割合は25%に上った。苗木の元になる、枝先や種子を供給する成木が増えたことで、苗木の増産ペースが加速している。一方、植林面積に換算すると、国内の杉の人工林面積の0・1%に満たず、取り組みの一層の推進が求められる。

 対策杉には、花粉を作る雄花がほとんどできない「少花粉型」や、雄花を付けるが花粉を全く作らない「無花粉型」などがある。一般的な杉と比べて、苗木の成長の早さ、材木の品質に差はない。

 花粉症への対策を進めようと、国内では1999年度に植林用の苗木生産が開始。苗木の生産量は06年度までは微増傾向だったが、07年度以降は毎年、大幅に伸びており、16年度は2年前の2倍、4年前の3倍に上る。16年度に生産された杉苗木全体に占める対策杉の割合は25%で、前年度比3ポイント増。同庁は、32年度までに同割合を7割にする目標を掲げる。

 苗木の元になる枝先や種子を採取するには、木を植えてから十数年かかる。こうした枝先や種子の供給源となる木が確保できるようになったことで、苗木の増産につながっている。

 一方、植林面積で見ると、杉全体に占める対策杉の面積は依然小さい。杉の苗木は一般的に、1ヘクタール当たり2500本程度の密度で植林するため、16年度の苗木を植林面積に換算すると約2000ヘクタール。国内の杉の人工林の面積448万ヘクタール(11年度)の0・04%にとどまる。

 同庁は「時間はかかるが、対策杉への切り替えを地道に進めていきたい」(森林利用課)と説明。18年度予算案で、花粉発生源対策の事業に前年度と同額の1億1500万円を計上し、杉の加工業者らが、森林所有者に対策杉への植え替えを働き掛ける際の支援などを進める方針だ。

日本農業新聞

最終更新:3/13(火) 13:37
日本農業新聞