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博多―敦賀港を検討 「空白」埋める新貨物航路

3/13(火) 17:56配信

福井新聞ONLINE

 敦賀港(福井)-苫小牧港(北海道)の定期貨物船を運航する近海郵船(本社東京都)が、新たに敦賀港と博多港(福岡県)を結ぶRORO船の定期航路を検討していることが12日分かった。今後採算性などの事業化の検討を重ね、来年春の航路開設を目指す。日本海側で本州と九州を結ぶ定期航路は現在なく、就航すれば国内海上輸送の「空白航路」を埋めるルートとなる。

 同社によると、就航当初はRORO船1隻、週3便で敦賀-博多間を往復運航することを検討している。航海時間は片道約19時間を想定。できるだけ早期に週6便のデイリー化を目指す。敦賀港を中継した苫小牧航路との接続も視野に入れており、「北海道と九州を結ぶ最速、高頻度の新たな海上輸送ルートとしてサービスを提供したい」としている。

 新航路の検討は、深刻化するトラックドライバーの不足や、環境負荷軽減で陸上輸送から船舶に転換する「モーダルシフト」の進展を背景に、海上輸送の需要を取り込む狙い。関西、中京、北陸圏の日本海側の玄関口となる敦賀港と、九州経済を支える中枢港湾の博多港を結び、自動車関連製品や食品、雑貨などの貨物利用を見込んでいる。

 同社の担当者は「新航路は国内のどの船会社も運航しておらず、日本海の西側のミッシングリンクを埋める。同一港湾で貨物をスイッチして九州と北海道を結ぶ航路は現在なく、開設すれば利便性は一層高まる。大地震や津波など太平洋側災害時の事業継続計画(BCP)の観点でも重要な役割を果たす」と話している。

 同社の定期RORO船は敦賀-苫小牧、常陸(ひたち)那珂(なか)(茨城県)-苫小牧、東京-大阪-那覇(沖縄県)の3航路を運航。新規航路は、2002年6月の敦賀-苫小牧以来となる。敦賀―苫小牧は15年に新造船を導入し、積載量を約3割アップ。敦賀港での貨物取扱量は右肩上がりで、昨年は前年比5・3%増の158万3761トンとなっている。

■RORO船

 「ロールオン・ロールオフ船」の略。船体と岸壁を結ぶ出入路「ランプウエー」を備え、貨物を積んだトレーラーやトラックが自走でそのまま乗降できる貨物船で、コンテナ船より荷役時間が短くて済む。直行便が基本で定時性が高いのが特徴。敦賀港では北海道・苫小牧港と結ぶ内航RORO船、韓国・釜山(プサン)港とつなぐ国際定期RORO船が運航している。

福井新聞社