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それでも4億人の飲み水に? 聖なるガンジス川で進む、驚くべき水質汚染

3/13(火) 20:10配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

インドのガンジス川は矛盾に満ちている。この大河は冷たく、その水源はヒマラヤ山脈の氷河にまでさかのぼる。だが、その透き通っていた水は、インドの人口密度の高い都市を通りベンガル湾へ流れ込むまでに、ゴミと下水で汚れた水に変わる。

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インドのモディ首相は2015年、30億ドル(約3170億円)を投じて、4億人が飲み水として利用し、10億人を超えるヒンドゥー教徒が聖なる川として崇拝するこの川を浄化すると約束した。だが、ロイターの報道によると、状況改善のために実際に使われた予算はその4分の1以下であることが、最近の監査で明らかになった。
(※全ての写真は記事上部のリンクからご覧になれます)

敬虔なヒンドゥー教徒からは「母なるガンガー」とも呼ばれるガンジス川は、ひどい状況にある。人々が調理や水浴びに使い、死者の葬儀を行うこの川には、未処理の下水が直接流れ込んでいる。川岸には皮なめし工場や造船所などさまざまな工場や農場が立ち並び、危険な化学物質を投棄している。

モディ政権は2018年初めまでに川の水質を改善する目標を定めていたが、達成はできていないようだ。

川の汚染がよくわかる驚きの写真を紹介しよう。

ガンジス川はヒマラヤ山脈の透き通った水を水源としている。しかし、都市や工業地帯を流れるうちに、その水は激しく汚染され、有害なヘドロと化していく。

人口密度の高い地域を流れるにつれ、周辺の都市から汚れた水や堆積物が入り込む。インド最北部のウッタルプラデシュ州カンプールでは、川はすっかり濁っている。

未処理の下水は排水管から直接、川に流れ込む。

カンプールでは、さらに川の下流へ行くと、汚水が泡立っていた。

それでも人々はガンジス川で沐浴し、調理し、洗濯をする。ウッタルプラデシュ州では、男性が下水の泡の中で沐浴をしていた。

下水どころか、川には山のようなゴミが直接捨てられている。行政が定期的にゴミを収集していない都市部で特に顕著だ。

川沿いに立ち並ぶさまざまな工場は、川の水を利用して発電したり、物資を輸送したり、廃棄物を捨てる。カンプールでは、皮なめし工場が産業廃棄物を川へ直接捨てている。

刺激の強い化学薬品を使う染革も、川の近くで干されていた。

さらに南下すると、コルカタでは、ガンジス川の土と堆積物を使ってレンガを作っている。窯の煙突からは有害なガスが大気中に吐き出され、水質問題をさらに悪化させている。

船を修理する労働者の姿も。

10億人を超えるヒンドゥー教徒にとって、ガンジス川は聖なる川だ。写真にある女神カーリーなどの像が置かれている。

そのすぐ近くには、壊れたカーリー像が川の中に横たわっていた。

敬虔なヒンドゥー教徒にとって、ガンジス川の水は聖なる水だ。

コルカタでは、男性が汚れた河川敷に聖なる水を注いでいた。奥に見えるのは、ヒンドゥー教の祭り「ドゥルガプジャ」で流された神々の像だ。

敬虔なヒンドゥー教徒は、死者の遺体を火葬する前に聖なる川で清める。この写真は、ヒンドゥー教の聖地バラナシで撮影されたもの。

そのすぐ近くでは、住民がガンジス川で沐浴や調理をしている。

川のほとりで寝る人もいる。

巡礼者たちは、ゴミが散乱していても、身を清めるために川に入る。この男性は、ガンジス川がベンガル湾へ流れ込む辺りで水につかっていた。

地元住民の努力にもかかわらず、ガンジス川は激しく汚染されたままだ。

母なるガンガーは汚れているかもしれない。だが、聖なる川として崇高な美を備えている。コルカタでは、夕暮れ時にフェリーが通り過ぎていった。

[原文:India's holy Ganges River is devastatingly polluted, yet provides drinking water for over 400 million people - here's what it looks like]

(翻訳:山口玲子、編集:山口佳美)

最終更新:3/16(金) 12:40
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