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ジャパンネット銀行が銀行の常識を変える!ユーザーのニーズに徹底的に寄り添う数々の“日本初”の取り組み

3/14(水) 12:38配信

ITmedia ビジネスオンライン

 2000年、日本初のインターネット専業銀行として創業したジャパンネット銀行。店舗を持たず利用者はインターネット上で24時間365日、いつでもどこでも振込みや取引明細を確認することができる。時代によって移り変わるお客さまのニーズを素早く読み取り、新たなサービスを提供してきたジャパンネット銀行の顧客満足度は近年さらに高まっている。ジャパンネット銀行が目指す銀行の在り方や数々の日本初のサービスについて、代表取締役社長の田鎖智人氏に話を聞いた。

●無停止連続稼働、安全性を誇る日本初のインターネット専業銀行

井上 2018年の2月に田鎖さんが社長に就任したそうですね。どういった経緯で社長になったのですか?

田鎖 もともとはヤフーで、ジャパンネット銀行の担当をしていていました。ヤフーとジャパンネット銀行が資本提携をし、担当をしていた私が社外取締役になったのが2006年のことでした。ヤフーのユーザーに対して、さらに便利なサービスを提供することを目的にジャパンネット銀行に携わってきました。

 その後、ヤフーグループの中で銀行という位置付けがさらに重要になり、ジャパンネット銀行のさらなる成長のため、2018年2月にヤフーの連結子会社となり、同時に私が代表取締役社長になったという流れです。

井上 そもそもネット銀行は普通の銀行とはどんな違いやメリットがあるのでしょうか?

田鎖 一番分かりやすいのは店舗がないということです。店舗がないことで、運営コストが低くなるので、高い預金金利を提供することができたり、振込み手数料が安くなったりします。

井上 他にはどんなメリットがありますか?

田鎖 店舗がない代わりに、全ての手続きはインターネット上で完結します。いつでもどこでも安全に取引ができるというのがインターネット銀行の大きなメリットです。

 ただ、銀行では定期的なシステムメンテナンスが不可欠です。ネット銀行含めて銀行の多くは、週1回、月1回などの頻度でサービスを停止してシステムメンテナンスを行っていることが多いのですが、ジャパンネット銀行はシステムメンテナンス実質ゼロに取り組んでいて、現在1年のうちサービスを停止している時間は30分だけです。

 インターネット上の取引は、曜日や時間を気にしない人も多いので、週末や夜間にサービスが停止してしまったら不便ですよね。振り込もうとしたときにメンテナンス中で取引ができないと時間のロスになってしまいます。

井上 セキュリティについて、お客さまの満足度を高めるためにどんな取り組みをしていますか?

田鎖 セキュリティについては、さまざまな面から対策を行っています。一例として、振り込め詐欺などの特殊詐欺被害が起きないよう、不正な取引がないかモニタリングしています。被害の未然防止に貢献したとして、警察から数多く表彰されています。万が一被害が生じたときにも、通常90%以上の返金を行っています。

井上 ジャパンネット銀行はなぜ他行よりも高い返金率をキープできているのですか?

田鎖 不正な取引を検知する独自のシステムと担当者のスキルによって、詐欺被害にあった方が送金した先の口座を凍結するスピードが速いからです。犯罪者がお金を引き出せなくなり、返金が可能になるのです。

●決算書不要でお金を借り入れることができる新しい融資モデル

井上 日本初のネット銀行として、これまでにどんな日本初のサービスを提供してきたのですか?

田鎖 ジャパンネット銀行は、特にネットでの取引に対してサービスを強化してきました。通帳を廃止し、取引をインターネット上で全て見られるようにしたことはもちろん、2006年にお客さま全員へトークンを無料配布したことも日本初の取り組みです。トークンは本人認証のワンタイムパスワードが表示されるもので、取引の安全性を高めるために導入しました。以前はキーホルダー型でしたが、2016年からはより携帯が便利で財布に入れて持ち歩けるよう、キャッシュカードと同じ薄さのカード型のトークンを提供しています。安全な取引ができるとしてお客さまから評価されています。

井上 日本初のサービスとして、他にはどんなものがありますか?

田鎖 2015年にスタートした、法人向けの取引データを活用した融資サービスも日本初です。法人が銀行から融資を受けたいとき、通常は財務諸表の提出を求められ、起業後3期を経過していないとお金を借りることが難しい状況にあります。

 ジャパンネット銀行は、スタートアップや個人で仕事をしている人の事業を支援するために、2015年からYahoo!ショッピングやヤフオク!の取引データを審査に使う融資サービスを始めました。取引傾向やユーザーからの評価などのデータを活用し、担保、保証人、決算書不要で、ネットを通じて非対面で融資するというのは、これまでの銀行になかった新しい融資モデルです。

井上 個人経営の人にとっては、とても助かるサービスですね。もう少し詳しく教えてください。

田鎖 普通の銀行だと審査が通ったとしても、お金が融資されるまでに時間がかかりますが、ジャパンネット銀行は最短で翌営業日に入金できます。2017年4月からは、初回の審査で貸し出すことができる額の限度枠を設定し、その枠の中で必要な金額を借りられるようにしています。あらかじめ審査が通っていれば、必要な時に必要な額をすぐに借り入れることができるので、急に仕入れが必要になったときにも対応できます。大量に仕入れたい時にすぐに借り入れができるので、ショップの売上に貢献できているようです。

 商売の動向は、一定のペースではなく、急激に変化するものです。審査をスピーディーにし、お金をなるべく早く届けることで、お客さまのサポートができると考えています

井上 freeeでもビジネスローンのサービスを提供しているのですね。

田鎖 はい、2016年にクラウド会計サービスを提供するfreeeと連携し、freeeの会員向けにfreee上にある会計データを元に融資をするサービスを始めました。クラウド上にデータがあるので、決算書を改めて提出してもらう必要がありません。

 ネット上にはデータのかたまりがあらゆるところにあります。それらによって審査して融資を行うサービスを今後さらに横展開したいと考えています。

井上 信用できるかどうかという「人となり」を審査に入れるという未来についても構想があるようですね。

田鎖 その点はまだ具体化できておらず、今後どうなるのかもまだ分かりませんが、一つの夢ではあります。お金を多く持っている人が貸した分を必ず返してくれるとは限りません。その人のお金の使い方や、真面目さによって、貸し倒れの確率は変わります。しかし、これまで金融機関は、年収はいくらか、持ち家かどうかなどの部分でしか判断してきませんでした。その人の信用は、年収などの情報だけではなくて、きちんと約束を守る人かどうかという行動の積み重ねも影響すると思います。

 お金の貸し借りも約束事なので、約束を守ってきた実績がどれだけあるかが重要になってきます。そういった点を金融の世界にも持ち込みたいと妄想している最中です。将来実現できたらいいですね。

井上 ネットショップを運営している人については、商品を送る際のやりとりなどについてもデータ化できそうですよね。

田鎖 技術的にはそんなに難しいことではありませんが、「人となり」のようなものを審査基準にするということに対するお客さまの感じ方、世の中での受け止められ方というのが重要です。今はまだ自分のデータを勝手に使われていると警戒する人が多いと思います。 時代とともに人々の感じ方は変化するので、その変化に合わせていかなければいけません。

●お客さまの声を徹底的に拾い上げ、サービス改善に生かす

井上 お客さまの声をサービスの開発につなげていると感じました。どうやってお客さまの声を拾い上げているのですか?

田鎖 インターネットだからといって直接コミュニケーションができないわけではありません。コールセンター、チャット、LINEにも窓口があり、気軽に連絡できる環境を整えています。LINEではキャラクターを使い、より親しみやすく雑談するようにコミュニケーションできるものになっています。そういった複数のコンタクトポイントから直接お客さまの声を集めています。

 また、インターネット上の操作をもとに気持ちを類推することもできます。どのページまで見てくれたのか、長い時間ページに滞在しているから分かりにくいのではないかなど細かく解析しています。その他、SNS上のお客さまの声を拾うなど、接点をとても大事にしています。

井上 声を拾うのも早いですし、改善のスピードや新たなサービスの展開も早いですね。

田鎖 今や、ネットの方がお客さまとの距離が近づいていると思います。その近い距離をできるだけサービスに反映することを心掛けています。

 銀行が考えている当たり前は、お客さまからすると当たり前ではないとよくいわれています。銀行業として法律で決められていることなど、銀行側でやらないといけないことはたくさんありますが、それはお客さまにとって重要なことではありません。それよりも、重要なのは、どうやってコミュニケーションを取ってくれるのか、どんな便利なサービスがあるのかということなのです。

 社内では、「銀行の当たり前をなくす」という言葉を掲げています。古い銀行の考え方ではお客さまの求めるものを提供することはできません。お客さまのリアルな声を拾い、ニーズを満たす新たなサービスを実現することを徹底したいと考えています。

井上 私も、銀行とのやりとりで不便を感じたことは多々あります。銀行はこれまでの常識を壊し、今後さらに変わっていかなければならないところにきているのでしょうね

田鎖 昔は店舗に行くのが銀行取引のイメージでしたが、今はスマホの上が銀行です。これからどんどん銀行の店舗は減っていくと思います。店舗に来てもらうのではなく、スマホやパソコンを通して、お客さまのもとへ私たちが行くというイメージでサービスを提供しています。

 最近のある顧客満足度調査では、ジャパンネット銀行は20代の満足度が突出して高いという結果が出ています。特に若い世代にとっては、立派な店舗を持っているよりも、自分にとってどれだけフレンドリーなコミュニケーションを整えているかの方が重要な時代です。常にお客さまの目線で、銀行としてどんな提案ができるかを考えていきたいです。

編集後記

 対談を通して、「顧客に最も寄り添う銀行」だと感じました。銀行都合で決められていた業務やサービスをジャパンネット銀行は顧客都合のサービスへと変えていく。実商売に近い形で使える利便性の高いビジネスローンや、トークンのカード化などは、正にその典型例です。また、LINEによる365日24時間利用可能な問い合わせ機能は、より早く、より手軽なコミュニケーションツールです。この機能によって、顧客の潜在ニーズを確実に吸い上げ、さらに素早く改善につなげる姿は今の時代にとてもフィットしていると感じました。

 日本初のネット銀行でありながら、ジャパンネット銀行ほどお客さまにフレンドリーな銀行は他にはなく、先行利益をここまでのレベルで顧客に還元している会社もないと感じました。「銀行に顧客が行くのではなく、銀行から顧客のもとへ行く」そう語る田鎖氏の言葉が印象的でした。銀行出身ではない社長が作る銀行は、きっと徹底したユーザー目線の銀行になると思います。これからの個人事業主、中小企業、そして個人まで、全ての銀行ユーザーから選ばれる銀行になるかもしれないと胸が躍りました。
(聞き手:井上敬一、文:牧田真富果)