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亡くなった男子生徒に卒業証書 池田中2自殺1年

3/14(水) 8:36配信

福井新聞ONLINE

 昨年3月、当時2年生だった男子生徒(14)が自殺した福井県池田町池田中で13日、卒業式が開かれた。卒業証書授与で男子生徒の名前が呼ばれると、クラスメート20人が「はい」と声を合わせ、亡き友との思い出を背負って学びやを巣立った。14日の一周忌を前に母の手記も読み上げられた。

【写真】男子生徒の卒業証書

 暖かい朝の日差しが差し込んだ山里の校舎に卒業生や保護者が次々と登校した。式では女子生徒の一人が遺影を胸に抱いて入場。国歌、校歌斉唱の後、卒業生席の前方中央に設けた机の上に置いた。

 卒業生の名前が一人一人読み上げられ、清水誠校長から卒業証書を受け取った。最後の男子生徒の名前には20人全員が声を合わせて返事し、代理の男子生徒が立ち上がって証書を受け取った。

 清水校長は「彼との思い出、彼の笑顔を生涯忘れることなく、自分のペースで着実に目標実現を目指して生き抜いてくれることを念願しています」と式辞。答辞に立った女子生徒は、男子生徒に触れる部分でひと呼吸整え「幼い時から一緒に過ごした仲間がいないのはあまりに悲しく、思い返す度に胸が締め付けられます。過ごした日々が消えることはなく、21人が過ごした思い出を胸に一人一人の人生を一歩ずつ歩んでいきましょう」と述べた。最後に男子生徒の母親直筆の手記が代読されると、保護者からすすり泣く声が漏れた。

 式を終えた男子卒業生は「(彼が)いないのは残念だけど、21人全員で卒業するという思いで式に臨んだ。献花台に花を供えるときは、心の中でお空から見守っててと声をかけました」と話した。参列した40代の母親は「温かい雰囲気の卒業式でした。悲しくてショックな出来事だったが、一緒に卒業できたことを子どもたちも、保護者も喜んでいる。困難を自分の力で乗り越えられる、強い心を持った大人に成長してもらいたい」とわが子を見つめていた。

 生徒玄関近くの廊下には「みんなで卒業! これからもずっと一緒だよ!」と書いた紙と、男子生徒への思いをつづった卒業生のメッセージが掲示された。月命日ごとに設けている献花台にも、生徒や保護者が持ち寄った花束やお菓子がずらりと並んだという。同日中に清水校長らが遺族に卒業証書を届けた。

福井新聞社