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福島・いわき市の高校ラグビーマンたち、サクラセブンズに立ち向かう。

3/14(水) 9:14配信

ラグビーリパブリック(ラグビーマガジン)

 お互いに得るものがあった。
 3月11日から16日まで、福島県いわき市で強化キャンプを実施しているサクラセブンズの候補選手たち(女子セブンズ・デベロップメント・スコッド)。滞在中には、同市にある4つの高校ラグビー部(平工業高校、磐城高校、磐城農業高校、勿来工業高校)の男子部員たちに練習をサポートしてもらっている。コンタクトプレーの練習や試合形式のトレーニングでぶつかり合う。

 3月13日には午前中に磐城と磐城農の選手たちが参加し、午後は平工が接点で男子のパワーを発揮した。
 日本ラグビー協会からの依頼を受け、今回のセッション実現へ尽力したいわき市文化スポーツ室スポーツ振興課の木田直之さん(福島県ラグビー協会理事)は、「高校生たちにとってはスキル面だけでなく、選手たちの姿勢なども刺激になったはず」と話す。

 いわき市は2020年の東京五輪時にはサモアのホストタウンに決まっており、2019年のラグビーワールドカップでも、同国が大会出場を決めた際には事前キャンプを張ることになっている。
 13日の午前の練習後には、清水敏男市長が練習を終えたサクラセブンズ候補たちのもとを訪れ、今回の合宿で使用しているフィールドは、東日本大震災直後はガレキ置き場だったと話した。
「ハード面の復興は進んでいますが、(住民たちの)心の復興は文化やスポーツを通して進めています」
 選手たちの前でそうスピーチした同市長は、昨年に続き、2年連続で強化の地にいわき市を選んでくれたことに対して感謝の気持ちを伝えていた。

 高校生たちは、トレーニングで奮闘した。
 狭いエリアでのコンタクトを想定した練習で、サクラセブンズの選手たちを受け止める。ゲーム形式の練習時間に移れば、スピードを生かして走り、ディフェンダーたちを苦しめた。
 サクラセブンズは、4月21日、22日にHSBCワールドラグビー女子セブンズシリーズ2017-2018の北九州大会を控えている。8強進出を目指すチームにとっては、世界に勝つためのベースを高める時間となった。

 高校生たちも、貴重な時間を自分たちの成長につなげようとしていた。
 磐城農の國澤健吾(WTB/1年生)は、「楽しかったし、充実していてやり甲斐があった」と話し、「ラック時のジャッカルがはやいし、強かった。コミュニケーションの声がよく出ていたことにも気づきました」。得たものを自分たちのチームへ持ち帰る。
 磐城の上遠野峻(SH/3年生)は、タックル練習時に「倒し切る技術へのこだわりを感じました」と振り返った。また、「一人ひとりがひとつのプレーを終えた後も、すぐに次へ動く。リロードの意識が強く、はやかった」と感心した。

 平工の齋藤天太(SO/2年)はセブンズ独特の動きに最初は戸惑うも、一人ひとりが仕掛けてスペースを作るアタックや、横に流すディフェンスを経験し、普段取り組む15人制にも活かせそうだと笑顔を見せた。
「小さな体で世界と戦う。そのための技術も感じました」
 キャプテンを務めている。感性を高める約2時間となった。