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1歳までに300万!フリーと会社員にこれだけの出産格差--増加するお妊婦さま

3/14(水) 12:11配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

出産を経ても働き続けているフリーランスや経営者の女性のうち、44.8%が産後1カ月以内に仕事復帰しているという衝撃の調査結果が明らかになった(雇用関係によらない働き方と子育て研究会緊急アンケート調査2017年版)。

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特に過酷な状況に置かれているのが、日本に約550万人いると言われるフリーランスで働く女性だ(550万人には副業も含む、ランサーズ「フリーランス実態調査2017」)。

育児・介護休業法は会社員(一定の条件を満たしたパート・派遣・契約社員など非正規社員含む)を対象としており、雇用関係を結ばずに働いているフリーランス女性は、産休・育休という制度の恩恵に預かれない。会社員のように育休中に給与の50~67%が雇用保険から支払われる「育児休業給付金」もなく、国民健康保険や国民年金などの社会保険料も免除されない。

さらに保活でも不利な点が多く、たとえ会社員と同じようにフルタイムで働いていても、自治体によっては育休を取得した会社員の親が優先のため、認可保育園には入りづらい。その結果、認証保育園や無認可保育園に預けざるを得ず、高い保育料を支払わなければならないケースも多い。

一方で、会社員の中にはBusiness Insider Japanが報じたように計画的に保育園の「不承諾通知」を受け取って育休を延長したり、妊娠を理由に雇用主に対して過剰な要求をする「お妊婦さま」になる人も出てきている。アンケート調査の発起人で、こうした「出産格差」をなくすために活動している小酒部さやかさん(natural rights 社長、マタハラNet 創設者)に話を聞いた。

経済的不安から産後1カ月で復職

-- フリーランス女性の妊娠・出産がこんなに厳しい状況だとは知りませんでした。

小酒部:産休・育休制度がないのはもちろん、経済的に苦しいというのが大きいですね。雇用保険に加入できないので「育児休業給付金」もありませんし、6割以上の女性が夫の扶養ではなく自分で国民健康保険などに加入しているのですが、国保だと「出産手当金」は地方自治体の任意給付なので、ほとんどの人がもらえていません。それでも社会保険料は払い続けないといけないので、労働時間・月収・出産日が同じ会社員とフリーランスを比べると、出産から子どもが1歳になるまでの間の給付と支出に約300万円も差があるんです。

注:会社員の場合、産休育休中の社会保険料が免除され、出産育児一時金、出産手当金、育児休業給付金が支給されるが、フリーランスに支給されるのは出産育児一時金のみで、社会保険料も自身で支払わなければならない。

小酒部:フリーランスは会社員より、より立場が弱いので、マタハラのような扱いを受けたという話もかなり聞きました。

休めば即無給になるので、経済的な困窮と仕事をもらえなくなるという不安から、半数近くの人が産後1カ月も休まずに仕事復帰しているんです。これはいくらなんでも早過ぎますよ。「母体保護」という点から考えてとても危険です。夜中の授乳もあるし体もまだまだきついはず。実際に産後の体調が不安定だったり、高熱が続いたという人もいます。

長期の育休までは求めません。でもせめて産休くらいは整備する必要があるのではないでしょうか。これは少子化対策の観点からも重要なはず。一定以上の保険料を納付している人には出産手当金を支給して、産休の間は社会保険料も免除するよう検討してもらいたいです。

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最終更新:3/14(水) 14:02
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