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【指先ノハク インタビュー】どの曲も遊び心があって攻めている

3/14(水) 14:02配信

OKMusic

指先ノハクが下北沢SHELTERのレーベル、SHELTER UNITEDから3rdミニアルバム『TAMAMONO』をリリース! 和を意識したという新作はサウンドプロデューサーに中尾憲太郎を迎え、超攻撃的でダイナミックな仕上がりとなった。

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──今作は下北沢SHELTERのレーベルSHELTER UNITEDからのリリースになりますが、その経緯というのは?

宮腰:老舗で気が引き締まるライヴハウスというのもあって、私たちはSHELTERが大好きで。これまでに何度も自主企画をやらせてもらってるんですけど、結成9周年のイベント(2017年11月17日『ラッキーナンバー9』)が終わったあと、店長の義村さんに声をかけていただきました。

清水:自主企画が終わってちょうど次のリリースに向かう時だったし、SHELTER UNITEDが再始動する時期とも合っていて。

竹内:うん。バンド的にはすごくいいタイミングだったなと思います。

木村:自分たちだけだと見えない部分って絶対にあるしね。前作のミニアルバム『フルレンジ』の時からなんですけど、いろんな方が関わってくれることでMVとかアーティスト写真とかが面白く仕上がるので、もっと新しく開けてみたい気持ちになってて。

宮腰:指先ノハクの音楽性も広げたいし、聴いてくれる人もどんどん広がっていってほしいし。おかげさまで自信のある一枚ができたので、ツアーに向けて気合が入ってます。

木村:すごく難しい曲もあるんで、ライヴでちゃんと観せられるように練習中です(笑)。

清水:だね。常に進歩し続けるバンドでありたい。

竹内:新作のツアーファイナルがSHELTERワンマン(2018年6月16日)なので、まずはそこまで高めていきたいなと。

──では、その3rdミニアルバム『TAMAMONO』について聞かせてください。“和”を意識したコンセプト作とのことで、いろいろなテーマの曲が収録されてますね。

宮腰:去年、竹内の地元・長野県中野市のPRソング「風は清き」を作った時、間奏で祭囃子みたいなのを入れたら“すごく指先ノハクに合ってる”って好評だったんですよ。楽しいよりも妖しいというか。

竹内:不思議な感じになったんだよね(笑)。

宮腰:他のバンドにない和ミクスチャー感! “和のコンセプトアルバムもいいんじゃない?”とも言ってもらって、私たちもいいかもしれないなと。それで曲をたくさん作っていきました。

──どんなふうに進めていったのですか?

宮腰:歴史を一から勉強してみたり、百人一首や『古事記』に触れてみたり。

清水:ここに来て、いきなり(笑)。

木村:とは言っても堅苦しい感じではなく、遊び心を含ませて作りました。「VS鬼」は和製『ホーム・アローン』みたいな設定なんです。あの映画って泥棒を子供がやっつけるじゃないですか。鬼はその泥棒のイメージ。あとは、テリトリーや大事にしたい場所を家に見立てて、“自分の場所は自分で守ろう”というメッセージも潜ませてます。

──ユーモラスでいて、じわっと考えさせるようなラインを入れてますよね。

木村:はい。私たちはどの曲もそうやって作ってきたと思います。リード曲の「尼将軍の恋」だと北条政子がテーマなんですけど、私は強い女性に憧れがあって。彼女について調べるうちに、自分が悪者になっても信念を貫いて生きたことを知ったんです。それがすごくいいなと感じて。現代を生きる人にも伝わるものがある気がしたので、曲にしてみました。

──“花が咲きそうな気配”という意味の「HANAMOYOI」は?

木村:『花咲か爺さん』がモチーフにありつつって感じの曲ですね。春は桜が絶対に咲くけど、それを夢や自分の目標に置き換えてみたというか。“自分でやらないと花は咲かないよ”という想いを込めてます。

──新しいレーベルからのリリースに加えて、中尾憲太郎さんをプロデューサーに迎えたこともバンドにとって大きかったんじゃないかと思うのですが。

木村:そうですね。ライヴを観せてもらったりする中で面識はあったんですけど、『フルレンジ』を作った頃かな。“憲太郎さんと指先ノハク、すごく合うと思うよ”っていろんな方が言ってくださってて。

──ここでもお導きが。

全員:あはははは!(笑)

木村:さらに偶然なんですけど、リリースに向けた最初のミーティングでも義村さんが憲太郎さんをプロデューサーに勧めてくれて。できることならお願いしたいなと思いました。

宮腰:もともと大好きで、Crypt Cityのライヴとか観に行ってましたからね。憧れのベーシストだし、ダウンピッキングが機関銃みたいでめちゃくちゃカッコ良い!

木村:人殺せそうなベースだよね(笑)。でも、プロデュースの時はイメージが全然違くて、物腰の柔らかい方でした。

竹内:そう! とても分かりやすい表現でアドバイスしてくださって、自分がやってこなかったアプローチにもトライできました。「尼将軍の恋」のドラムは最初から最後まで同じリズムなんですけど、“こういう曲もあっていいんだな”“リズムパターンを統一することでメロディーが映えるんだな”と分かったし、「アフターライト」のレコーディングでは憲太郎さんが持ってるドラムセットを借してもらったり。

清水:歌入れのディレクションもしていただきました。「アフターライト」は始めの段階で結構一本調子になっちゃってたのに、自分で気付けてなかったんですよ。そんな時に憲太郎さんが“ここはまだ雨だけど、ここからちょっと風が吹いてきて、最後が暴風雨になる感じ”みたいに、頭でイメージできるようなアドバイスで伝えてくださったので、曲全体の流れや歌い方がすごく掴みやすかったです。

木村:私はどういうエフェクターを使ってみたいか訊かれたので、“えげつないヤツ”ってお願いして(笑)。そのアースクエイカーのエフェクターが大活躍してますね。「ちょっと待ちな」の間奏とか。

──最後の《ただ、今君と一緒にこのドアを開けて進もうやい》のあとですよね。あの“ギー!”はドアを開ける音っぽいなって。

木村:ありがとうございます。狭い部屋で私が弾いてる中、憲太郎さんがツマミをいじってくれてたのが面白かった!

宮腰:歌詞はあとから書いたのに、サウンドとすごくはまってるんですよね。1番の《次のドアを叩こう》のところも、偶然“コンコン”ってノックみたいなカウベルが入ってて。

竹内:もともとは何も鳴ってない、ただのブレイクだったんだよね。それだとつまらないから突拍子もない音を入れといたのが良かった(笑)。

──結構ありますね、ミラクル。

宮腰:そういうのも面白かったな。「ちょっと待ちな」はベースソロも憲太郎さんが“フェイザー使ってみたら?”って言ってくれたんです。飛び道具的なエフェクトを使ったことがほぼなかったんで、新しい扉を開けられた感じがします(笑)。

清水:今までの音源に比べて、サウンドも歌詞もメロも攻撃的で、なおかつ耳に残るものになってて、どの曲も心に引っかかると思うんですよ。

──「VS鬼」の《「悪い子どこだ♪」》のあたりのコーラスとか、めっちゃエグくて引っかかります。

清水:このコーラスは憲太郎さんがうまくコーディネートしてくれて、何を聴けばいいのか分からないくらいカオスな空間になりました(笑)。

竹内:「VS鬼」は特に熱を入れてドラムを叩いたので、ぜひ聴いてほしいです。この曲だけフロアタムをふたつ使ってまして、最初のスネアからすぐタムのみになるとか、引っかかる瞬間があると思います。

清水:そうだね。あとは、「尼将軍の恋」もメロはすごくポップでありつつイントロは私たちらしい捻りが効いてたり。ピクッとなるところは随所に見つかるはずです!

取材:田山雄士

OKMusic編集部

最終更新:3/14(水) 14:02
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