ここから本文です

就活不採用の『お祈りメール』をアートに 自らの40通活用、こんなに祈られるのは神だから? 作者に聞く

3/15(木) 7:00配信

withnews

 就活でよく耳にする「お祈りメール」。いわゆる不採用通知のことで、企業からの連絡の文末にある文言「就職活動の成功をお祈りしています」に由来します。「こんなにお祈りされるなんて、わたしは神?」とのひらめきから、自らが受け取ったメールをアートに昇華させた専門学校生がいます。「自分が信じる自分を信じて。だって就活生はみんな神様なんだから」と話す彼女に話を聞きました。

【画像】貼り付けられた実物の「お祈りメール」の数々。就神様の絵馬や、作者をモチーフにしたストラップも

「祈られる」という共通点

 今月9日、ツイッター上で注目を集めた画像。写っているのは、リクルートスーツを身にまとった千手観音のようなイラストと、「就神様(しゅうがみさま)」の文字が映し出されたパソコンのディスプレーです。

 ディスプレーの周りには、印字されたメールが無数に貼り付けられています。

 「末筆になりますが、貴殿の今後益々のご活躍をお祈り申し上げます」「今後のご活躍を心よりお祈り申し上げます」といった文字が並んでおり、いずれも企業からの「お祈りメール」のようです。

 どうやら、たくさんのお祈りメールをもらったことと、信仰の対象としての神を、「祈られる」という共通点で結びつけたアート作品のようです。

 この投稿に対して、「天才」「こんなにたくさんの人にお祈りされるなんて神様」といったコメントが寄せられています。

作者は専門学校生

 この作品は、3月9日から11日にかけて御茶の水美術専門学校(東京都)で開かれていた卒業制作展に出展されていたもので、作者はデザイン・アート科の阿部希望さんです。

 どういった経緯でこの作品が生まれたのか? 詳しく話を聞きました。

 ――就神様を発想したきっかけは

 就活を始めて、初めてお祈りメールをもらった時に「貴殿の今後の益々のご活躍をお祈り申し上げます」という文末を読んで、「お祈り申し上げます」なんて、生まれて初めて言われた!と、とても驚き興奮しました。

 何通も何通もお祈りメールの「お祈り申し上げます」の字面を延々と眺めていたら、「これだけ祈りを捧げられるわたしって、もはや神なのでは?」と、ふと言葉遊びのようなことを思いついたのがきっかけです。

 そして、「就活生の苦しみをユーモアに変える」というコンセプトで、今回の卒業制作展に出展しました。

 ――制作する上で心がけた点や工夫した点は

 まず最初に思いついたのは、神様がリクルートスーツを着ていたらおもしろいな、という点です。リクルートスーツという没個性の象徴と、神様という絶対的な存在のアンバランスさが、ユーモアにつながると思いました。

 就神様のデザインは、いろいろな神様や仏様を参考にさせてもらい、「千本の手は、どのような衆生をも漏らさず救済しようとする、観音の慈悲と力の広大さを表している」とされる観音様をメインビジュアルのモチーフにさせていただきました。

 背景は仏様やキリストに射す「光背」をイメージして、神々しさを感じるようなデザインにしました。

 心がけたことは、様々な宗派の教えと歴史すべてにリスペクトを持つこと、かと言ってユーモアなので固くなりすぎないようにすることです。

1/2ページ

最終更新:3/15(木) 7:43
withnews