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市立太田高が最優秀 京都大のシンポジウム 人工衛星データ活用し東山道の説に結論

3/15(木) 6:04配信

上毛新聞

 京都大で先月開かれた第11回宇宙ユニットシンポジウム(同大主催)で、群馬県の市立太田高の「衛星データによる古代道路遺構調査の研究」が最優秀賞に輝いた。古代の幹線道路・東山道を巡り存否が議論されてきた「近道」を、発掘調査によらずデータ分析から存在しなかったとの結論に至る根拠を示した。大学や企業を含む42件の発表の中で最高評価を受け、生徒らは「科学に年齢は関係ないと実感した」と喜んでいる。

◎土壌や続日本紀取り上げ「近道なかった」

 研究は、同校が取り組む群馬大との連携授業の一環で、京都大特任教授の中野不二男さんが提唱する文理融合の学問「宇宙人文学」を取り上げたのがきっかけだった。2016年度から始まり、本年度は1、2年生10人が参加した。

 律令(りつりょう)時代に今の滋賀県と東北を結んでいた東山道は、太田市新田地区で武蔵国府へ向かう「武蔵路」が分岐。Y字に分かれた武蔵路と本道の間には、邑楽郡付近と栃木県足利市付近を結ぶ近道があったとの説がある。

 生徒たちは、中野さんから直接指導を受け、インターネット上で公開されている人工衛星のデータを活用し、集めた土壌や植生データと文献資料を照らし合わせながら、東山道の跡を探るプロジェクトを進めた。

 衛星データで足利付近の土壌の含水量を調べたところ、雨天時でも乾燥時でも翌日はほとんど変化がなく、水分を蓄えやすいことが判明した。さらに足利地区と太田市新田地区で行われた過去のボーリング調査の結果でも、足利付近は水はけが悪いことが分かり、この地域は古くから湿地帯だったと推測した。

 当時は湿地帯に道を造る技術がないことや、史書「続日本紀」の記述も根拠に、「存在しなかったと推定できる」との結論を導き出した。中心となって研究を進めた2年生の奥田優真さんは「自信になった。この経験は必ず大学でも生きるはず」と話していた。

 シンポジウムでは高校生や大学生、企業などが研究内容をポスター展示で発表。来場者と発表者の投票で五つの賞が選ばれた。

最終更新:3/15(木) 6:04
上毛新聞