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富山へ人の流れ生む 北陸新幹線開業3年

3/15(木) 0:53配信

北日本新聞

 14日で開業から丸3年がたった北陸新幹線は、富山の暮らしに大きな変化をもたらした。在来線特急時代に比べて富山―東京間の所要時間は乗り換えなしで1時間短く2時間余りとなり、乗客数は約3倍に。「100年に1度」と呼ばれた交通革命は、県内大学への志願者など「人の動き」にどう影響したのか、あいの風とやま鉄道や全日空東京便の現状は? 気になるデータを読み解いてみた。

 県内の高校を卒業した生徒の進学先は、関東、関西方面とも新幹線開業後もあまり変化していない。一方、沿線からの県内大学を目指す若者の数は大きく伸びている。

 関東から県立大への志願者は、2014年度の38人から、18年度には96人へと大幅に増えた。長野からも55人から99人に増加。入学者も増えており、同大は開業を機に、長野市やさいたま市に試験会場を設けてアピールしたことが奏功したとみる。

 富山大も同様だ。14年度と17年度の志願者数を比べると、関東が692人から985人に増加し、長野も576人から670人に。入学者数は関東が89人から121人に、長野も106人から112人へと増えた。同大は開業2年前から首都圏でPRを続けており、入試担当の船橋伸一教授は「富山の知名度が上がっている。これまで東北に行っていた関東の学生が志望するようになり、人の流れが変わった」と分析する。

 県外から移住する人も増えた。県によると、16年度に移り住んだ人は565人で、統計を取り始めた08年度以降で最多となった。うち自治体の相談窓口を通じて移住したのは334人で首都圏からが約3分の1。占める割合は開業前の2割から増えた。

 新幹線の影響を大きく受けたのが富山空港の全日空東京便だ。2014年度に82万4652人だった利用客数は、15年度に49万4616人となり、16年度には39万549人に半減。16年3月に1日6往復が1日4往復となった。

 使用機の小型化などに努め、搭乗率は14年度66・2%、15年度66・5%、16年度69・5%と維持している。新幹線開業で東京までの所要時間が2時間半を切った主な地域で、3年以上残った航空路線はない。県は「県民や企業の協力を得て健闘している」とし「競争は厳しいが、4便を維持できるよう積極的な利用を呼び掛けたい」と言う。全日空の菅谷とも子上席執行役員東京本店長は「訪日旅行者の利用を増やし、新幹線との共存の道を探っていきたい」としている。

 JR西日本北陸線の県内区間を引き継いだ「あいの風とやま鉄道」。開業直後はJR時代より車両数が減ったため、朝の通勤時間を中心に混雑が激しかった。毎年車両を増やしたり、運行区間を伸ばしたりして改善を進めている。

 1日当たりの利用客は、2015年度4万358人(うち定期利用2万9241人)、16年度4万338人(同2万9556人)、17年度は4~10月までで4万1873人(同3万945人)と、横ばいか微増となっている。17日には初めての新駅「高岡やぶなみ駅」が開業する。

 同社は利用客数が「順調に推移している」と受け止め、4年目は「経営の安定や利便性向上に努めたい」とした。

 (社会部・柳田伍絵)

北日本新聞社

最終更新:3/15(木) 0:53
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