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諫早開門訴訟 漁協、和解協議を要望 開門派漁業者と隔たり 佐賀

3/15(木) 9:36配信

佐賀新聞

 国営諫早湾干拓事業(長崎県)の開門問題を巡る訴訟で、佐賀県有明海漁協は14日、福岡高裁が開門しないことを前提に国の基金案による解決を図るとした勧告に基づく和解協議を進めるよう要望する意向を明らかにした。訴訟当事者で、開門を求める漁業者側が協議を拒否する方針を示す中、立場の違いが浮き彫りになった。山口祥義知事は「漁協の考え方を支持する」との見解を示した。 

 ただ、漁協は「有明海再生には開門調査を含む有明海の環境変化の原因究明が必要との思いは今後も変わらない」として開門の立場を堅持することも表明した。

 漁協は同日、各運営委員長らが集まった会合で和解勧告や開門派弁護団の意見を報告し、今後の対応を協議した。国から求められていた100億円の漁業振興に関する基金案の受け入れについて「高裁の和解案を受けて判断したい」としていたことを踏まえ、「有明海再生に向けた考え方」と題した文書を了承した。

 文書によると、有明海再生事業の継続や、潮受け堤防内にある調整池から諫早湾へのこまめな排水の確実な実施とマニュアル化、基金とは別枠での堤防への排水ポンプ増設の3項目を要望事項に挙げた。その上で基金案とともに和解協議の中で取り上げ、実現するよう求めている。

 有明海再生に向けて国や県、漁業者ら関係者が連携して取り組むことも盛り込んだ。徳永重昭組合長は「当初は双方とも和解が望ましいということだった。少しでも歩み寄る協議をしてもらいたい」と注文した。

 国が高裁に提出した文書では、漁協の要望を踏まえて排水ポンプ増設の検討や再生事業の重要性の認識を示しており、高裁も和解勧告で「(漁協の)要望は尊重されるべき」との見解を示していた。高裁は勧告の受け入れの可否に関し4月4日までの回答を求めているが、開門派弁護団は即刻拒否していて決裂する見通し。

最終更新:3/15(木) 11:03
佐賀新聞