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女性性器切除(FGM)の根絶に向けた米国での厳しい戦い

3/16(金) 6:03配信

BuzzFeed Japan

「タブーの話をしましょう」と司会者が言い、女性たちは口を開き始めた。

性的快楽、HIV、処女膜。ヴァージニア州にあるイスラム教のモスク、ダール・アル・ヒジュラ・イスラミックセンターが開催したエンパワーメント会議に多くのイスラム教徒の女性が参加し、同寺院の保守派が眉をひそめそうな数々の講演に耳を傾けた。頬を赤らめるものもいれば、歓声をあげるものもいた。【BuzzFeed / Hannah Allam】

ところが、その日の最も難しい課題に話が及ぶと、活力に満ちていた女性たちの元気が影を潜めた。女性器切除(FGM)だ。医学的な理由なしに女性器の外部をすべて、または一部切除すると国連が定義している古来の儀式だ。切除された人には、心的外傷が残り、生涯つづく合併症を引き起こす可能性がある。

タブーが絡むため、やむを得ない場合を除き、米国のイスラム教コミュニティが取り上げることがないのがFGMだ。昨年の春、ダール・アル・ヒジュラのイマーム(礼拝指導者)シャーケル・エルサイードが、女性と少女の「割礼」に対する宗教的な正当性を示した時が、これに当てはまる。エルサイード師は、慣習を禁止した国で「社会全体に性欲過剰が蔓延し、女性はひとりの相手では飽き足らず、相手がふたりでも3人でも満足できない」と講話で警告した。

この言葉は、モスクを新しい動きの戦場に変えた。この慣習の「サバイバー(生存者)」と自らを呼ぶ人々を含むイスラム教徒の女性らが率いる、米国のイスラム教徒のFGMに対する沈黙を破る、新しい動きだ。この戦いは、複雑な状況に置かれている。#MeTooキャンペーンが女性に抗議を公にするよう促す一方、反イスラム教の風潮が、声をあげるのを妨げている。

活動家のアプローチもさまざまだ。健康リスクについてコミュニティを静かに教育することを主張するものもいれば、FGMを完全に拒否しないイスラム指導者の名前を公表して恥をかかせようとする人々もいる。右翼団体はFGMを「イスラムの主流文化だ」と間違った情報を流している。一方、指導者らは、対話は歓迎するものの、世代や文化的伝統をまたぐため慎重を期する必要がある話題に対する外部からの扇動を不快に思う、と言う。各派で話し合っているが、ダール・アル・ヒジュラでは、ほかの全米のイスラム教コミュニティ同様に、FGMに関する議論は終わっていない。まだ始まったばかりだ。

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最終更新:3/16(金) 6:03
BuzzFeed Japan