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精神疾患の治療を強化しても、銃乱射事件を止めることはできない

2018/3/16(金) 10:45配信

BuzzFeed Japan

フロリダ州の銃乱射事件を受け、米国の政界は、これまでと同じように二分している。これは銃規制の問題だと主張する者もいる。いっぽう、ドナルド・トランプ大統領をはじめ、問題は容疑者のメンタルヘルスにあると主張する者もいる。【BuzzFeed / Peter Aldhous】

トランプ大統領は、「『若年移民に対する国外強制退去の延期措置(DACA)』の交渉が始まった。共和党は取引を望んでおり、民主党も取引を望むと言っている。DACAは何年も放置されてきた。ついにパズルを解くことができたら最高ではないだろうか。これは最後のチャンス。次のチャンスはないだろう! 3月5日が待たれる。」とTwitterで投稿した。

また、2月15日には「フロリダ州の銃撃犯が精神障害を抱えている兆候はいくつもあった。常軌を逸した素行不良で退学になったほどだ。近所の人やクラスメイトは、彼が問題人物だと知っていた。このような事例は必ず当局に報告しなければならない。何度でも!」と投稿している。

銃による暴力のリスクを研究する専門家たちによれば、現実は、右と左に分けることができるほど単純ではないという。

確かに、統合失調症や双極性障害、重度のうつ病など、深刻な精神疾患を持つ人は、普通の人より平均2~3倍、暴力的になる可能性が高い。ただし、しばしば精神疾患と関連づけられる薬物乱用などの問題が、どれくらい影響しているかは不明だ。しかも、精神疾患に起因する暴力犯罪は、米国で起きている暴力犯罪のわずか4%程度と考えられている。

つまり、米国が抱える銃による暴力の問題解決を、精神医療の改善に期待しても無駄ということだ。ミシガン大学でメンタルヘルス・サービスの研究を行うマーシャ・バレンスタインはBuzzFeed Newsに対し、「その期待は、かなえられるものではありません」と述べる。

さらに、銃乱射事件が起きるたびに精神疾患に注目すれば、社会で最も弱い人々に対する一般の人々の態度が硬化してしまう。

ノースカロライナ州リサーチ・トライアングルパークにあるRTIインターナショナルでメンタルヘルスサービスの研究を行うリチャード・ファン・ドーンはBuzzFeed Newsに対し、「人々に対して、この人物は精神が錯乱しているとか、目つきがおかしいと報告させようとすることは、偏見を生むだけです」と述べる。

メンタルヘルスを正常な状態に戻すことで、銃乱射事件を阻止しようという取り組みについても、答えは容易に見つからない、というのが現状だ。

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最終更新:2018/3/16(金) 10:45
BuzzFeed Japan

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