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精神疾患の治療を強化しても、銃乱射事件を止めることはできない

2018/3/16(金) 10:45配信

BuzzFeed Japan

暴力行為を犯す人物の予測は不可能

銃乱射事件の犯人の多くに精神疾患の病歴がある、という事実を無視するのは難しい。問題は、このような稀な危険人物と、現実の脅威をもたらすことのない、はるかに数の多い一般の精神障害者を区別することだ。

2月14日に、フロリダ州パークランドにあるマージョリー・ストーンマン・ダグラス高校で生徒と職員17人を射殺したとされるニコラス・クルーズ(19歳)の過去が明らかになっているが、退学処分や自宅での破壊的行動など、前兆はいくつもあったようだ。

しかし、振り返ってみると明白な前兆であっても、事前に特定するのは難しい。メンタルヘルスの専門家に必要なのは、残虐な行為を犯す前に予測できるシンプルで信頼性の高いスクリーニングツールだ。

しかし今のところ、そのようなスクリーニングツールは存在しない。クルーズの経歴に関するニュースが報じられるなか、RTIインターナショナルのファン・ドーンと、その妻で、ノースカロライナ州立大学の司法心理学者であるサラ・デスマレーは、「暴力リスク評価ガイド(VRAG)」というチェックリストを引き合いに出した。学校での懲罰の記録や暴力犯罪歴など、個人の経歴に関する質問が並んでおり、本人と面接する必要はない。

ファン・ドーンとデスマレーは、クルーズのVRAGスコアを計算し、今後7年間に暴力犯罪で有罪判決を受ける可能性は17%という数字を導き出した。

ただし、「あまり信頼できる数字ではありません」とファン・ドーンはBuzzFeed Newsに語った。

英オックスフォード大学の司法精神学者シーナ・ファゼルによれば、VRAGのようなスクリーニングツールはそもそも、すでに暴力犯罪で有罪判決を受けた人を評価するために開発されたものだという。主な目的は、収監中に厳重な監視が不要で、早期釈放の候補になりそうな者を特定することだ。

「こうしたツールが得意とするのは、暴力的にならない人を判別することです」とファゼルはBuzzFeed Newsに語った。暴力行為を犯すリスクが高い、ごく少数の人物を特定するのはあまり得意ではないのだ。

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最終更新:2018/3/16(金) 10:45
BuzzFeed Japan

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