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中田ヤスタカですら直面する「クリエイティブ業界のジレンマ」

3/18(日) 12:22配信

BuzzFeed Japan

Perfumeやきゃりーぱみゅぱみゅをプロデュースし、自身のユニットCapsuleとしても活躍。最近では、映画『何者』の音楽も担当し、話題になった。一方で、日本を代表するDJとして音楽業界を牽引する中田ヤスタカ。そんな彼は、自身の音楽を「常にギリギリ選ばれない音楽をやってるので」と評する。これだけヒット曲を生み出すにも関わらず、一体どういうことだろうか? その真意には、「プロとしての矜持」があった。【BuzzFeed Japan / 嘉島唯】

中田ヤスタカが言う「全業界に言える、理想的なプロに必要な力」【動画つき】

「僕の音楽は万人受けしないという前提で、曲を作ってます」

――中田さんはトップランナーとして走り続けているイメージが強いのですが、シンプルに聞きます。制作の時は、自分のやりたいものより「みんなこれが好きだろうな」って計算しながら曲を作っているんですか?

そういう風には作れないですね。

多くの人にとっての音楽ってあるじゃないですか。無意識に耳に入ってくる音楽。テレビつけた時、今はCMでこういう曲がいっぱい使われているとわかる。そういうのを聴くと、僕自身はそこを目指して作るべきじゃないというか違う世界だなって思いますね。

自分の音楽は、万人受けしないだろうという前提があって。誰が聴いても嫌な気持ちにならない音楽が作れたら、純粋にすごいなと思いますけれど、自分では真似できないから諦めてます。

ある意味「趣味じゃない」って言われるものこそが、やっぱり作る意味だから。

――そんなこと言われたら、悲しくなってしまいそうです。

僕にとって音楽は、時代的なものよりも、趣味的なものだと思っていて。「かっこいい」「かっこよくない」っていうのは、その時の年齢とか知識量とか気分とか、すごく曖昧なんですよね。だから誰かに合わすのってあんまり意味がないなって。「僕の曲を聴いて『いいな』と思わない人はセンス悪い」と思うようにはしてるんですけど(笑)。

中田ヤスタカ=実験の場、プロデュース=開発した必殺技を使う場

――ソロワークとプロデュースは、自分の中でどう違いますか?

プロデュースの場合は、作ってみて「ボツにする」のは基本的にNGなので、新しい技を開発する場所が僕には必要なんですよね。

「地均し」ではないけれど、ソロやCapsuleで実験したものを「自分の技」にしてから、プロデュースの場で使うって感じです。きゃりーに関しては、初期のCapsuleでやっていたことをもう一回やってみることもありました。

――開発して練習してパッケージにする、みたいな?

そういうケースが多いですね。曲を作るときは、自分のことしか考えていない。できなかった技ができるようになったり、新しい発想が生まれると嬉しい。その技って、最初はまぐれだったり、ミラクルみたいなものなんですけれど、練習していくうちにいつでも使える技になる。楽しいです。

――でも、「新しい技」が既に「誰かに作られている」場合もありますよね。不安にはならないですか?

ならないですね。僕の曲をまだ一曲も聞いたことがない人ってすごくたくさんいるのと同じで、人間が不老不死にならない限りは、いつも何かが新しい。だからあんまり気にしなくていいと思っています。

デビューするかしないかぐらいのときに、「きみの作風ならこういう音楽が好きだと思う」と、おすすめされた昔の曲が全然ピンとこなくて。やっぱり時系列で色々考えるより、その時の自分にとって好きなバランスかどうかは大事だなとは思います。もちろん、今となってはルーツ的なものの意味もわかりますが。

結局、聞き手としても作り手としても「自分にとってフレッシュかどうか」を考えたいと思っています。

――だから、「リスナーは今これを求めている」ということはあまり考えないと。

そうですね。例えば、ある人にとっては「なんだか古い音楽だな」と思う曲も、それをフレッシュに聴ける若い世代もあったりして。リバイバル感覚なのか、フレッシュにやってるのかの違いもありますし。

リスナーの知識量とか年齢で持つ感受性って誰も矯正できないし、不可侵。だから、「今の時代の人はこういうのを求めてる」という、よくわからない他者を想像して作るのってあんまり意味がないと思います。わからないことは作れない。

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最終更新:3/22(木) 18:38
BuzzFeed Japan