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パラアスリートらに「自分らしい働き方」を学ぶ日本唯一の学校

3/18(日) 20:21配信

カンパラプレス

 限りある人生を豊かに生き抜くために、必要なものは何だろう。友達?仕事?それともお金?

迫力のパラリンピックスポーツ写真

 イギリスの元首相であるトニー・ブレアは、国民のための主要政策として、「一に教育、二に教育、三に教育」と教育の重要性を掲げていた。「不確実」「不安定」というネガティブなフレーズがポンポンと出てきてしまうような現代に求められているのは、豊かに生きる知恵を持った人たちが集まれる学び舎かもしれない。

 パラリンピックが開幕する1週間前の3月3日、東京・虎ノ門でユニークな学校が開かれた。「Techo School」と銘打った1日限定の学校で、講師に並んだのは弁護士やアーティスト、経営者、映画監督など8人の「先生」たち。先生全員が「障害者手帳」を持っているという、全国で唯一無二のユニークな学び舎だ。「Techo」=「障害者手帳」というわけだ。

起業家兼パラアスリートから学ぶ「断らない働き方」

 さっそく学校に潜入。受付で渡された手のひら大の「生徒手帳」を掲げ、教室へと向かってみた。席についた教室の講師は、パラ柔道でパラリンピックに出場した初瀬勇輔さん。アスリートでありながら起業家でもある初瀬さんは、依頼された仕事はすべて受ける「絶対断らない働き方」を実践している。

 「人からの依頼を断らないのは、頼りにされて役割をもらえるのが本当に嬉しいからです。誰かに必要とされた時の嬉しさといったら尻尾を振って待つ犬のようで、役割フェチと言ってもいいかもしれません」。

 初瀬さんが「役割フェチ」というほどまでになったのは、大学時代の経験にあったという。弁護士を目指していた大学在学中に緑内障を患い視覚障害を持った初瀬さんは、いったんは失意の底に落ちたが、視覚障害者柔道に出会うことで自信を取り戻した。ところが、「就職試験で120社落ちてしまったんです。それも書類選考の時点です。やっぱり僕は障害者だから価値がないんだろうなというのが『断らない働き方』の原点です。ちなみに120社に会ってもらえないほど、僕はそんなに悪くないと思うんですけどね」と冗談交じりに話す。

 「社会のシステムや人事のイメージが、障がい者の実情とミスマッチしている」と気づいた初瀬さんは、自分の仕事が無いなら自分でつくるしかないと独立。そこから自分に役割を求められれば引き受ける「断らない働き方」のスタイルを作った。

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最終更新:3/19(月) 0:54
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