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パワー半導体市場、伸びるのはSiCよりもGaN?

3/20(火) 20:40配信

投信1

 産業機器や白物家電、そして自動車とほぼすべての分野にわたって需要が堅調なパワー半導体市場。国内では三菱電機、富士電機、ロームなどが主要プレーヤーであり、今後も需要拡大が見込めることから、各社ともに生産能力の増強に着手している。現在の主流はシリコン系パワー半導体であるが、次世代に目を向ければ、SiC(シリコンカーバイド)やGaN(窒化ガリウム)といった新素材を用いたパワー半導体も市場拡大の機会をうかがっている。

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 こうしたなかで、調査会社の富士経済が先ごろ発表したパワー半導体市場に関するレポートは実に興味深いものであった。

GaN/酸化ガリウム系の急成長を予測

 それによると、次世代パワー半導体のなかでは、SiCよりもGaNや酸化ガリウム系などGa系の急激な伸びを見込んでおり、2030年時点ではSiCを上回る市場規模になると予測する。

 30年の将来予測として、同社ではSiCを2270億円(17年比8.3倍)、GaNを1300億円(同72.2倍)、酸化ガリウム系を1450億円(17年は僅少)と見込む。Ga系パワー半導体の市場成長を高く見込んでおり、GaN/酸化ガリウム系を合算した市場規模はSiCを上回る見通しとなっている。

 GaNパワー半導体市場は、200V帯の低耐圧領域向けと600V帯以上の中耐圧領域向けで形成されており、近年、中耐圧領域向けでは参入メーカーが製品ラインアップの拡充を図っていると指摘。19年以降、本格的な市場拡大につながっていくという。

 用途別では、17年時点では情報通信機器分野の需要が一番大きく、POLコンバーターやサーバーのDC/DCコンバーターで採用されている。今後も情報通信機器が需要の中心となるが、20年以降は太陽光発電用パワーコンディショナーや高周波駆動が必要な工作機械・医療機器、自動車分野などで採用が活発化すると見ている。

 伸び率ではGa系パワー半導体に劣るSiCだが、自動車やエネルギー分野の中高耐圧領域を中心に着実に市場を拡大させていく見通し。なお、SiCパワー半導体の17年市場規模275億円のうち、SBD(ショットキーバリアダイオード)は225億円、FET(電界効果トランジスタ)は50億円となった。

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最終更新:3/20(火) 20:40
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